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中小企業がSDGsを実践する際に、どのようなステップを踏んで取り組めばいいのか教えてください。
SDGコンパスを参考にしましょう
企業がSDGs達成に向けた取り組みを実行すると、企業イメージの向上や新たな事業機会の創出につながり、結果として利益向上につながることが徐々に理解されるようになりました。しかし、「どこから手をつけていいのかわからない」と考える中小企業も少なくありません。国連グローバル・コンパクトなどの3団体が、その道しるべになるよう共同開発したツールが「SDGコンパス」です。これを参考に中小企業がSDGsを実践するステップと留意点を考えてみましょう。
ステップ1:SDGsを理解する
まずは、企業内でSDGsの各目標やターゲットを理解し、情報を集めます。この際、自社に関連する社会・環境課題について深掘りします。
ステップ2:優先課題を決定する
バリューチェーン全般を通じて自社の事業活動がSDGsに及ぼすプラスとマイナスの影響を特定します。その上で、事業活動がSDGsに与える影響との関係を最も適切に表す指標を設定し、データを集めて達成度を把握します。そして将来的な影響を想定して優先課題を決定します。
ステップ3:目標を設定する
優先課題に対する影響がわかりやすい測定可能な評価指標を選定し、ベースラインを設定した上で目標値を決めます。
ステップ4:経営へ統合する
SDGsの目標を自社の経営目標に組み入れます。たとえば、自社の中期経営計画を作成する際に、バランストスコアカードの手法を利用して、経営戦略(目指すべき姿)、戦略マップ(重要成功要因の因果関係)、戦略テーブル(業績評価指標と目標値)、部門の行動計画へとブレイクダウンしていく過程で、SDGsの目標を組み入れて行きます。そして中期経営計画を実行することで、SDGsの目標達成につなげます。
ステップ5:報告とコミュニケーションを行う
SDGsの達成に向けて、様々なメディアを利用して、進捗を社内外に報告することが重要です。効果的な情報発信を行えば、透明性を高めることになるため、様々なステークホルダーとの間に信頼感を醸成できます。情報発信する際は、自社が社会・環境課題に真剣に取り組んでいる姿をありのままに見せることが重要です。