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ISO9001を導入し、年1回内部監査を行っていますが、形式的に行っているだけで、効果が実感できません。内部監査を経営に活かす方法を教えてください。
業務プロセスの中にある点検業務を内部監査にしましょう
ISO9001の内部監査の目的は、現在の業務を顧客満足度の向上という視点でチェックし、問題点を見つけ、改善につなげることです。そう考えれば、年1回形式的に実施することだけが内部監査ではありません。たとえば、以下のような場面が内部監査に相当します。
1.年度事業計画の実施状況の確認
月初に経営者が年度の事業計画を発表される企業も多いと思います。そして四半期や半期に成果を各部署から提出してもらって、経営会議を行うことと思います。
2.現場パトロールや部門長の巡回
経営者自身や部門長が現場を巡回したり、安全衛生委員会による安全パトロールを行っている企業では、現場からの報告との一致を確認したり、想定した状況になっているか確認します。直接現場に指示することや、部下の力量評価も行われるかもしれません。
3.経営者や部門長による社員・部下へのヒアリング
多くの企業で、経営者が直接社員にヒアリングを行っていると思います。これによって、社員の性格や特性を把握します。人事や組織改編に関する情報を得ることもできます。社員にとっては、直接経営者に意見を述べる機会となり、勤務意欲向上のきかっけになります。
4.難しい仕事の受注決定までのプロセス
会社にとって、重要または難しい仕事の受注に取り組む時に、関係者を集めて、役割分担や、受注決定までのプロセスの検討、内容や留意すべき点の共有化、フェーズ毎のレビューなどを行うことと思います。
5.品質や納期トラブルが発生した時の原因究明
品質トラブルや納期遅延が発生した場合、会社の主たる部門が応急処置を行った後で、その原因を探し、再発防止策を決定するために検討が重ねられると思います。
これらの取り組みにおいて議事録や記録が残っていれば、監査の証拠になります。内部監査という形にとらわれず、業務の中に監査の視点を入れて業務点検、即ち内部監査を行えば、内部監査が経営を支える重要な道具になります。