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食品衛生法の改正で、食に関連するすべての事業者にとってHACCPに沿った衛生管理が制度化されることになったと聞きました。小さな飲食店の場合、HACCP導入にどのように取り組んでいけばいいのでしょうか?
業界団体作成の手引書に基づいた衛生管理を実施しましょう
厚生労働省のホームページに「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(小規模な一般飲食店事業者向け)」が掲載されていますので、これを参考にします。一般衛生管理をベースにしながら、必須管理点における温度管理等を中心としたモニタリング&コントロールを加えて、以下の手順でPDCAを回すことになります。
1.取り扱う食品・取引方法における危害要因を分析します。
2.危害を防ぐための衛生管理計画を作成します。
3.衛生管理を実施します。
4.実施した結果を記録します。
5.振り返り、改善ポイントがあれば衛生管理計画を修正します。
<一般衛生管理のポイント>
1.原材料の受入確認:包装・保管不備により有害な微生物の増殖の可能性があります。
2.冷蔵・冷凍庫内温度の確認:有害な微生物の増殖や品質劣化の可能性があります。
3.交差汚染や二次汚染の防止:他の食品へ有害な微生物汚染が広がる可能性があります。
4.器具等の洗浄・消毒:汚れの残存による有害な微生物汚染が広がる可能性があります。
5.トイレの洗浄・消毒:トイレは様々な有害な微生物に汚染される危険性が大きいです。
6.従業員の健康管理:人を介して有害な微生物への汚染や異物混入の可能性があります。
7.手洗いの実施:目に見えない有害な細菌やウイルスが付着している可能性があります。
<必須管理点でのモニタリング&コントロール>
食品を10〜60℃の温度帯(危険温度帯)においたままにすると、食品についた細菌が増殖してしまいます。そのため、この危険温度帯を短時間に通過する必要があります。そこで、メニューを3つのグループに分類(①非加熱のもの、②加熱するもの、③加熱後冷却し再加熱するもの、または加熱後冷却するもの)に分類し、3つのグループ毎に危害要因分析を行い、必須管理点での許容限界を定めてモニタリング手順を確立し、温度と時間の管理を衛生管理計画に盛り込み、記録を取るようにします。許容限界を逸脱した場合は是正措置(必要な温度まで加熱、隔離など)を行います。