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中小製造業ですが、売上の季節変動が激しく、繁閑の差が大きく変動しています。繁忙期にはアルバイトを雇うほどですが、閑散期には仕事が少なく人が余っています。売上の季節変動を解消する対応策を教えて下さい。
年計グラフで現状を把握し、閑散期の対策をうちましょう。
1.年計グラフを作成して現状把握をおこなう
月単位でみると売上変動が激しく、毎月の損益が安定しない商品を製造、販売している企業があります。単月で損益を改善するにはどうすればよいでしょうか。月ごとに大きく売上が変動する場合は、あまりにも変動が激しく傾向が読み取れなくなります。過去の売上と現状の売上を対比するには、年計グラフを作成します。年計グラフとは、例えば2月であれば、「当月2月の年計=前年3月〜当年2月までの売上の合計」、3月であれば「当月3月の年計=前年2月〜当年3月までの売上の合計」となります。年計グラフは、いわば毎月決算をしているようなもので、企業の状態を分かりやすく知ることができます。
2.閑散期の対策
繁忙期には外注やアルバイトなどで対応して乗り切る事も可能ですが、閑散期にはそうはいきません。商品が売れなくても人件費や減価償却費などの固定費がかかるからです。まず年計グラフから商品別売上高、顧客別売上高をみて主力商品の展開を考えます。この商品に関する自社の強みをみんなで意見を出しあいます。
①主力商品について、現状と別の顧客が違う季節に使う場面を想定して、別用途に使用することを考えてみましょう。別用途に使用する季節が違えば、1年近くで売れる商品になり売上が安定するようになります。
②現状と別の顧客が違う場面を想定して、現状の商品からマイナーチェンジした商品がつくれないか考えます。同じようなデザインですが、ダイソンは扇風機とファンヒーターの季節の違う用途の商品を生産、販売しています。
③酒造業などある季節しか生産できない業種は、全員で営業活動をしましょう。通常の営業に加えて、技術知識のある人材が同行し技術的な提案をする、顧客からヒヤリングして別商品の展開に役立てる、などを考えましょう。展示会に出品して、市場顧客の反応をみて売上拡大する商品を見極めるのもよいでしょう。
閑散期にどのように売上を伸ばすか、今後の商品展開をどのように行うかを考えることこそ企業の力となります。