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製造現場の労働災害を削減するには、どのような取り組みをすればよいでしょうか。
ルールを徹底し、作業環境を改善していきましょう。
1.社員の意識を変える
労働災害が起こってから、後から注意し、怒っても時既に遅しです。労災が起こると、会社にとって良いことは何もありません。労災を軽減させるには、社員の意識を変え、改善することが大切です。
2. ルールを徹底する
労働災害を減らすには、ルールを守り徹底することが大事です。「製造業の基本は、自分の身は自分で守る」という意識付けが大事です。決められた服装、保護具を着用することを徹底します。安全に厳しい企業では、工場の入り口に決められた服装、保護具の見本を鏡とともに貼って正すことを訓練したりします。職場では決められた手順を決められた通りに守ります。ルールを守ることで労災の大半は低減すると言われています。一つ一つの手順を確実に行うには指差呼称が有効です。一つの手順を行った後で、対象を指差して手を振り上げて、「〇〇ヨシ」と言って手順を確認します。指差呼称をすることで作業エラーは約6分の1に抑えられるデータがあります。ルールの徹底は、ミーティングや朝礼などで定期的に行い意識付けを行います。
3. 作業環境を改善する
JIS日本工業規格の定義で、安全とは「受容できないリスクがないこと」「リスクを許容可能なレベルまで低減させることで達成される」とされています。リスクを低減させるには、職場の潜在的な危険性または有毒性を見つけ出し、評価し対策する「リスクアセスメント」を用います。リスクアセスメントでは、最初に職場における作業の「リスクの見積もり」を調査します。リスクの見積もりとは、①頻度+②可能性+③重大性を足したリスクポイントで、リスクレベルをⅠ〜Ⅴに分析します。リスクレベルの高い作業の優先度が高くなり、優先的に改善します。リスクアセスメントを改善することによって「リスクを許容可能なレベルまで低減」させます。
職場ルールの徹底と職場環境を改善することによって、労災の起こりにくい企業体質へと変わっていきます。