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生産現場で異物混入による不良を削減するにはどのような取り組みを行えばよいのでしょうか?
異物発生のメカニズムを解明し、徹底清掃で元から原因を取り除きましょう
生産現場でなかなか減らないやっかいな不良に異物混入不良があります。材料残り、製品の割れや欠け、鉄粉、油、繊維くずなどが混入し、検査工程で発覚する不良です。これを減らすには元から断つ必要があります。早速、その手順を見ていきましょう。
1.異物の正体を突き止める
検査工程ではねられた不良の現物のうち、異物混入不良について、物性、大きさ、形、色などからどんな異物なのか分類し、その割合を調べます。
2.異物の発生場所を特定する
発生頻度の高い異物に対して、クリーンなワークをラインに投入して、どの工程あるいは設備で異物が発生するのかを調べます。
3.発生源の工程や設備を徹底的に清掃する
異物の発生場所がわかれば、そこから異物を採取し、デジタルカメラで撮影するとともに、予め清掃された清掃用具を使って異物発生源の工程や設備を徹底的に清掃し、その清掃作業をビデオ撮影します。
4.異物の発生原因を突き止める
検査工程で発見した異物と、工程や設備の清掃時に採取した異物を比較し、どこの工程や機械で発生した異物が混入したのかを特定します。そして異物発生のメカニズムを解明し、異物マップを作ります。
5.発生源対策と伝達経路対策を実施する
材料、製品、設備、人など、どこで発生する異物かを突き止めたら、それが発生しないように材料変更、フィルタ設置、作業改善、洗浄装置の設置などの対策をとります。また、持ち込まれる異物、落ちてくる異物、接触することで付着する異物など、異物の伝達経路に対する対策を実施します。
6.清掃を効率化し、定着させる
撮影した清掃時のビデオを見ながら清掃道具や清掃方法を改善し、できるだけ簡単に清掃できる手順を決め、定着させます。
7.異物を監視し、管理する
常時異物混入不良を監視し、異物が出たらすぐ分析し、異物マップで発生源を特定し、対策を実施します。定期的な清掃とともに、異物混入不良の傾向をつかんだら改めて清掃し、清掃周期の見直しや清掃箇所の追加を行って、異物の管理を続けます。