今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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自社で会計ソフトを入力して、試算表を毎月出せるようにしていますが、どこを見ればいいのかわからず、せっかくの会計データを活かすことができていません。経営に役立てるポイントを教えてください。
月次決算の内容を理解し、活用するには「変動損益計算書」形式がおすすめです。
【変動損益計算書の活用】
月次決算で業績を把握するには、変動損益計算書形式がおすすめです。
変動損益計算書とは、すべての費用を売上の増減に伴い増減するか否かにより、「変動費」と「固定費」に分けて表示した損益計算書です。あくまでも社内の業績管理に有効な形式として活用されているものです。
変動費:商品仕入原価や材料費など、売上高の増減によって変化する費用
固定費:人件費や地代家賃など、売上高の増減によって変化しない費用
【変動損益計算書でわかること】
会社で何が起きているのかがわかりやすく読み取れます。
売 上(売った)
△変 動 費(買った)
=限界 利益(儲かった)
自社の商品やサービスが顧客や市場に評価された結果が表示されます。
限界 利益(儲かった)
△固 定 費(使った)
=経常 利益(残った) 経常 赤字(使いすぎた)
儲けの範囲に抑えて、しっかりと経費をコントロールできたかどうかが表されます。
限界利益/売上 = 限界利益率 は儲ける力。
限界利益率とは、例えば、もう100円売上が増加したら、儲けはいくら増えるかをパーセントで表現したものです。限界利益率が40%であれば、100円売上が増加すると、儲け(限界利益)が40円増加することを示しています。
この限界利益率を用いて、「損益がトントン」となる売上高を把握することができます。
損益分岐点売上高=固定費/限界利益率
また、経常利益がいくらになるために必要な売上高も算出することができます。
【分析の方法】
① 当期実績と目標金額や前年とのズレを確認する方法
② 時系列で金額の推移を見る方法
③ 比率で分析する方法
それぞれで変化をつかみとり、その理由を考え、経営の体感と数字の変化をすり合わせます。原因は何故か?と自らに問い掛け続けることが変化に対する感度と分析力を向上させてくれます。月次決算の活用の最大のポイントはここにあります。
【業績改善の3つのポイント】
① 売上高を増やす
② 限界利益率を上げる
③ 固定費を下げる
この3つの視点で考えてみましょう。
他にも試算表を活用するポイントは多くありますが、一番大事なポイントだけ、挙げさせて頂きました。