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売上も上がり、利益も出ているのに、お金が増えません。キャッシュフロー経営が大事だと聞きましたが、どのようなことでしょうか。
損益だけでなく、資金の流れまで意識した経営をしましょう。
「勘定合って銭足らず」という言葉があります。
損益計算書では利益が出ているのに、お金が残らない。
企業は黒字であっても倒産することはあります。資金が回らなくなってしまったときです。
売上も上がり、利益が出ているのに、お金が増えないことの理由を探ってみましょう。
(具体例)
売上 100円
売上原価 30円(売れた分)
固定費 60円
利益 10円
完全に現金商売であれば、10円手元のお金が残るはずですね。
① 借入金の返済がある。
借入金の返済が15円あるとすれば、手元のお金から△15円となり、資金増減は△5円です。
借入の返済分の利益は確保しておかなければ、手元のお金は増えません。
厳密には 借入返済額<利益(税引き後)である必要があります。
② 売掛金の未回収がある。
売り上げたものの、代金の回収ができていない場合は、その分手元のお金が減ります。
たとえば、30円の未回収があるとすれば、手元のお金は△30円となり、資金増減は△20円です。
売上代金の回収に時間がかかるのであれば、その分相当のお金(運転資金)が必要です。
③ 在庫がある。
仕入れをして、在庫が残っている場合。
売れた分の原価は30円でも、このほか30円分の仕入れをしていて、在庫として残っている場合。お金は既に支払っていますから、手元のお金は△30円となり、資金増減は△20円です。
②の場合と同じく、在庫を常に抱える事業形態であれば、その分相当のお金(運転資金)が必要となります。
上記は一例ですが、損益計算書で利益を出していくことはもちろん大事なことです。企業の血液である資金の流れに着目した経営、つまりキャッシュフロー経営を行うことは欠かせないことです。
売掛金が増えていないか、在庫が増えていないか、買掛金を早く払い過ぎていないか、本業で稼ぐキャッシュの金額が、借入金返済額に見合っているかなどのチェックポイントがあります。試算表や決算書で前月や前期を比較しながら、分析することが可能です。
税理士などの専門家にキャッシュフロー計算書を作成してもらうのも有効な手段です。