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海外取引における貨物の輸送中のリスクをカバーする貨物保険について知りたい。

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  • 海外取引における貨物の輸送中のリスクをカバーする貨物保険について知りたい。

    貨物の輸送中のリスクをカバーする貨物保険の内容について教えてください。

    貨物の輸送中に起こり得る事故・危険による損害発生に備え、通常、貨物保険(外航貨物海上保険)を申し込みます。


    保険会社は事故による損害をてん補し、被保険者は保険料を支払い、保険会社との保険契約を結びます。貿易取引上の売買条件(取引条件)に海上保険料が含まれていない場合
    (FOB、CFRなど)には、輸入貨物の損害発生に備え、輸入者が自ら海上保険を申し込まなければなりません。
    1.保険期間
    貨物保険は原則として、貨物が仕出地にある輸出者の倉庫または保管場所において、輸送開始のために輸送車両または輸送用具に積み込むために最初に動かされた時から開始し、通常の輸送過程を経て、仕向地の輸入者の倉庫において輸送用具などからの荷卸しが完了した時までの全輸送期間を担保します。ただし、輸送途中であっても、①外航本船からの荷卸し後、60日を経過した時(航空輸送の場合は、荷卸し後、30日を経過した時)、および②通常の輸送過程に当たらない保管、または仕分けなどのために、倉庫において荷卸しされた時は、保険は終了します。
    2.保険条件
    保険会社の担保危険は、海上危険(マリンリスク)と戦争・ストライキ危険に大別されます。海上危険には、①オールリスク(全危険担保)、②分損担保(WA)、③分損不担保(FPA)の3種類の基本条件があり、貨物の種類などにより基本条件が選択されます。
    3.保険金額
    貨物に対する保険金額は、通常、CIF価額に輸入者の希望利益10%を加え、CIF価額x110%とします。また、関税率の高い貨物を輸入する場合には、貨物の保険金額に加え、輸入関税額を保険金額とし、別途申し込むことができます。
    4.保険料
    保険料は、保険金額x保険料率(海上危険料率+戦争・ストライキ危険料率の合計料率)により、算出されます。
    5.保険の申込方法
    輸送開始前に保険を申し込まなければなりませんが、申込みに必要な明細の判明が船積後になることが一般的なため、通常、輸入者は、商品売買契約の締結後に予定保険契約を申込み、船積明細が判明後、確定申込みを行う方法が採用されています。
    6.貨物海上保険証券の発行
    申込みにより保険会社から貨物海上保険証券が発行されます。貨物の船積後、貨物海上保険証券の裏書譲渡により、保険金の請求権は輸出者から輸入者に移ります。
    7.輸出FOB保険の申込み
    国内の仕入条件が工場・倉庫渡しの場合や輸出取引条件がFOB・CFRの場合には、輸出者は貨物の国内での受取後、保管中を含めて、本船積込までのリスクをカバーするため、輸出FOB保険を申し込まなければなりません。
    8.保険金の請求
    事故発生時には、輸入者は書面により、保険会社または代理店に事故発生通知を行うとともに運送人に対しても事故発生通知を行わねばなりません。輸入者は事故検査報告書を入手し、保険金の請求手続に入ります。

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