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電気代や燃料代が大きく値上げされ、収益を圧迫しています。できるだけ費用を掛けず、省エネ対策を実施したいと考えています。良い対策方法があれば教えて下さい。
設備稼働方法の見直しなど、運用改善の対策を実施して下さい。
省エネ対策は、一般に、運用改善、設備付加、設備・工程変更の3つに分類されます。
運用改善とは、設備の稼働や作業方法の見直しを行い運用の仕方、ルールを変更して省エネすることで、通常、費用はほとんど掛かりません。
一方、設備付加とは、既存設備に何らかの機器を付け加える対策、設備・工程変更とは、現状方式を大幅に見直し新技術や手法に変更することで、投資費用が掛かります。
ここでは運用改善の省エネ対策事例とそのポイントをご紹介します。
①室内設定温度の調整
政府の推奨温度は冷房時28℃、暖房時20℃です。設定温度2℃の変更で約11%の省エネ効果があるとの報告があります(省エネルギーセンターより)。
②空調・生産設備の起動および稼働時間の見直し
空調や生産設備は起動時に最も電力を使用します。始業時や昼休み後の複数設備の一斉起動を避け、順次起動を行って下さい。また、電力ピーク時間帯の設備稼働をできるだけ他時間帯に分散して下さい。
③照明の掃除と間引き
照明は汚れにより半年で約10%照度が低下します(照明学会技術指針より)ので、半年に1回程度の掃除を行って下さい。さらに照度測定を行い、JISの「照明基準規則」と比較(一般的な事務所では500lx)し、過剰な照明を消灯して下さい。
④空調のフィルター・熱交換器の掃除
空調フィルターの目詰まりや、熱交換器表面の汚れは空調効率の悪化に繋がります。フィルター掃除を1年間行わないと消費電力が約20%増加するとのデータもあります(三菱電機HPより)。月1回程度点検し、必要に応じて掃除を行うことをお勧めします。
⑤エアー配管、蒸気配管の漏洩防止
エアコンプレッサやボイラーを設置されている場合は、エアーや蒸気の配管・継手からの漏れがないか確認し、ある場合は早急に増し締めや部品交換などの対策を実施して下さい。