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もうすぐ65歳ですが息子はサラリーマンで寿司屋を継ぐ意思が無いのです、お客さんもついているし「のれん」を下げるのは職人として悲しい思いがします。
この様な時、他のお店はどの様に対応しているのですか?
「のれん」を守る方法は幾つかあります。
「のれん」を降ろさない方法を説明する前に、前提として息子さん以外にお店を経営できる番頭さん的な人材がいるか否かで全然対応が違うと思います。
もしいなければ、最初は候補の育成からのスタートになりますのでしっかりと技術を伝授して下さい。
オーナーの目から見て自分が築いた「のれん」に恥じる事の無い味・技術・接客が合格に達するまでは妥協をせずトレーニングして下さい。
さて 今回は簡単な2つの方法を説明しますので、現実問題として自分の店舗でどちらが可能性として高いかを考えて下さい。
最も簡単な方法はのれんと共に店舗と営業権を番頭に貸す契約を結ぶ事です。(支配人契約と呼ぶ事もできます)大切な事は「のれん」を渡すのですから問題点も当初は当然、元オーナーにクレームとして届きます。また生業としてお店を経営していた場合は年金だけでは不安な要素もあるのである程度まではのれん料を取れる体制を引く事で引退後もアドバイザー的な立場でお店に関わり合いが出来ます。もしもの事があった場合も○○寿司の先代としての位置付けも取る事が出来ます。つまり世代が他人に代わっても「のれん」は継続されます。
もうひとつの方法は現在の店舗が賃貸である場合上記の状態を作り出す為には法人化して店舗の賃貸契約を法人契約にしなければ、店舗の承継は難しくなります。オーナーは100%株を保有した形で株式会社を設立して代表取締役に就任後、ある時期に番頭を社長に就任させる ここで問題はこの段階で負債がある場合は負債返済の目途がつくまで代表取締役会長として銀行との関係を継続してもらいますが、店舗は取締役社長の経営手腕で「のれん」を守ってもらいながら銀行返済をする基本給料型の社長になってもらう事です。借金返済後は代表権を渡して事実上経営に責任を持ってもらう様にしましょう。株に関しては先ほど同様、年金の不足分として株主配当を決めておけば完全引退後も基本は「のれん」会社が継続している間は多少なりとも配当がもらえる仕組みです。
新社長が頑張って株式を買える状態になれば売却すれば会社として○○寿司は存続する事になりますし○○寿司の創業者としての名前も残ります。今回の手法は単に「のれん」を守り継続する事に主眼を置いているので、現実的な負債状況と遺産相続の問題 現在の資産状況も加味する必要がありますので、一度税理士に相談をする事をお勧めします。