今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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営業譲渡や会社の買収等での労務管理上の注意点をお教えください。
リスクの大きさを把握し、許容できる範囲を予め確定しましょう。
人事労務管理上求められるデューデリジェンスは対象会社や部門が帳簿上若しくは帳簿外にどのような問題点があり、それが発展した場合にどれくらいの金銭リスクが生じるかを把握するというものです。企業調査の意味合いで使用する用語です。主に労働に関する債権は2年ですのでチリも積もれば山となるという言葉もあるように注意する必要があります。
その中で大きなインパクトをしめるのが以下の4点です。
●未払いの時間外労働に関する割増賃金がないか?
従業員の出勤管理が適正になされているのかを確認し、もし把握できていないならヒアリング等の手段をとり概ねの労働時間を算定する必要があります。
●社会保険、労働保険の支払いは適正か?更には適正に加入ができているのか?
社会保険・労働保険は従業員の意思で加入の有無が決定されるという種類のものではありません。加入要件に当てはまると自動的に処理をする必要があります。未加入者がいたとして何名が対象で保険料として仮に2年遡ったとしてどれくらいかかるかを算定しましょう。
●退職手当やその他の規定と現行の運用が合致しているか?
就業規則や退職手当規定等が現行の従業員の給与や退職手当と合致していない場合は差額の支払いを求められることがあります。未払いの手当等がないかをしっかり確認しましょう。
●労働災害に認定されそうな事案はないか?
パワハラ・セクハラ・過労・精神疾患などで長期の休業に入っている従業員がいないかを確認しましょう。労働災害と認定されると事案にもよりますが、大きな損害賠償を支払う必要が出てくることがあります。