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売上が低下してきています。売れる新商品を投入して、売上増加を図りたいのですが、売れる商品開発のためのヒントは何かないでしょうか。
お客様が商品を買う理由を把握した上で、もっと買ってもらえるようにするには、どうすればいいかを考えましょう。
売れる商品開発のためには、まずは、現状把握をすることが第一歩になります。お客様が今、商品を買ってくださっている理由を説明できますか?
「良い商品だから」「性能がいいから」「品質がいいから」「他社品にはない、このような特徴があるから」「これができるのはウチだけだから」…。このような答えを頭に思い浮かべた方は、お客様にとってのメリットについて、もう一度よく考えてみる必要があります。
お客様がシャンプーを買うのは、シャンプーという、ボトルに入った液体がほしいわけではありません。頭を清潔にして、快適になりたいからです。また、頭を清潔にすることで、人に不快感を与えないようにするためです。
ワインを買うのは、ワインがほしいからではなく、親しい人と楽しい時間を過ごしたいからかもしれません。また、携帯を買うのは、携帯がほしいからではなく、孫とメール交換がしたいからかもしれません。
お客様は自社の商品を買うことで、どうなりたいのでしょうか。これが、お客様が商品を買う理由です。お客様は、「良い商品」だから購入するのではありません。商品を買うことで、悩みや困りごとが解消されるなどのメリットがもたらされるから買うのです。作り手は、「良い商品」は売れると考えがちですが、一消費者の立場に立つとよくわかります。いくら「良い商品」でも、要らないものは、ほしくないのです。
こうしたお客様の目線については、頭では分かっているつもりでも、作り手はつい忘れがちです。お客様がどうなりたくて買うのかを忘れてしまうと、お客様不在の品質競争に走ってしまうことになりかねません。お客様にとって必要ないほどの性能や品質は、それをなくすことでコストが下げられるなら、ない方がいいのです。
売れる商品開発のためには、お客様が商品を買ってくださる理由を明らかにした上で、もっと買ってもらえるようにするにはどうしたらいいかを考えてみてください。
既存商品の見直しや改善で、お客様の悩み、困りごとにもっと応えられる商品ができないかを考えてみてください。お客様に選んでいただいている理由に相当する機能を改良して強化する(先の携帯の例で考えると、高齢者がメールを打ちやすいなど)、または不満点を改善するなどが考えられます。
次に、既存商品の機能や品質は大きく変えずに、提案を変えることで、新商品ができないかを考えてみてください。たとえば、違うお客様に買っていただけないか、違う場面でも使用していただけないか、違う悩みや困りごとに応えられないか等について考えてみてください。
新商品開発では、必ずしも機能や品質自体をすべて新しくする必要はありません。既存商品をベースに、もっと買ってもらえるためにはどうすればよいかを考えることが確実性の高い方法です。