今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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ビジネスプランを作成したいのですが、考えがまとまらず、完成させられずにいます。ビジネスプランを完成させるには何が必要なのでしょうか。
やりたいことと、できることを整合させた上で、市場ニーズがあることを確認しましょう。
ビジネスプランは、計画中のビジネスについて体系的に整理、確認、共有するために作成するものです。頭の中にある考えを紙に書いてまとめることで、考えが整理され、社員等の関係者とプランの共有ができるようになります。また、取引先や提携先、資金提供者等に対して、ビジネスについて説明し、協力を依頼することも可能になります。
ビジネスプランには、目的や提出先によってさまざまな様式がありますが、概ね以下の4点について記載します。
① なぜ、そのビジネスを立ち上げるのか(動機、ミッション…)
② どのようなビジネスか(事業概要、ターゲット市場、商品・サービスの特徴、価格、提供方法…)
③ なぜ実現できるのか(能力、経験、人材、人脈、技術、設備、資金…)
④ どのように実現していくのか(実施体制、スケジュール、必要な資金と調達方法、収支計画…)
ビジネスプラン作成の必要性は理解できているけれど、うまく作成できないということがあります。たとえば、ビジネスを立ち上げる動機と、ビジネス内容が整合していないケース等です。社会貢献的な動機で構想したにも関わらず、検討の過程で動機から逸脱した内容になっているような場合、関係者や第三者の理解や納得が得られるプランとすることは困難です。逆に、想い先行で、誰から、どのように対価を得て、運営していくのかが描けていないケースもあります。誰から、どのように対価を得て、運営するのかについて具体化できない場合、事業としての実現可能性が低いと言わざるを得ません。
最初に整理すべきことは、やりたいことと、できることを整合させることです。ここが不整合になると、ビジネスプラン全体が不整合になっていまいます。やりたいことが、できることにならない場合は、どのようにしたらできるようになるか、不足を補う方法について考えてください。
ビジネスプランがうまく作成できない他の理由として、お客様や競合についての情報が不足し、市場ニーズが確認できていないことから、具体化が進まない場合があります。やりたいことと、できることが整合したら、次は、やりたくて、かつできることは、市場ニーズがあることかどうかを確認しましょう。やりたくて、できる場合でもお客様に対価を払っていただけなければ、事業として成立させることができません。競合調査や、テストマーケティング等による市場ニーズの把握が必要です。
さらには、商品価値に見合った価格で提供でき、収益を出すことができるのかという視点も重要です。自社の強みを活かして、どのようにビジネスを実現するのかについて考えておきましょう。
なお、ビジネスプランの有効な活用方法として、事業の進捗チェックツールに使用するという使い方があります。ビジネスプランを作成することで、まず現時点での不明点が明らかになります。不明点は調べて明らかにし、ビジネスプランを精度の高いものにブラッシュアップしましょう。事業開始後もビジネスプランにもとづいて事業を推進し、定期的に実施状況を検証して、計画との乖離の原因を考え、プランの修正を行います。創業や新規事業では、事業開始前に不明点を完全になくすことは現実的には困難です。不明点については、いつ、どのように検証して修正するのかをスケジュールに盛り込みましょう。