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外国でビジネスを展開するにあたって、外国で知的財産権(特許権、商標権など)を取得する場合に、どのぐらいの費用が必要でしょうか?また補助金はあるのでしょうか?
知的財産権の取得には高額な費用が国単位で必要となり、中小企業向けの補助金があります。
外国で知的財産権を取得するためには、権利取得したい国の特許庁(以下、「外国特許庁」)に対し出願手続き(外国出願)を行う必要があります。そして、外国特許庁における出願の審査において登録できない理由(「拒絶理由」と言う。)が見つからない場合に、登録料を納付することで権利が発生します。なお、拒絶理由が見つかった場合は拒絶理由通知が届き、応答(反論や権利範囲の修正)が必要となります。以上をまとめると、次のタイミングで費用が発生します。
(1)出願手続きの際
(特許の場合、出願と同時又は所定期間内に審査料を支払います。)
(2)拒絶理由通知に対する応答の際(発生しない場合もあります。)
(3)登録料を納付する際
特許について、標準的な書類分量で(2)の応答が1回の場合、権利取得までに必要な費用の総額は、アメリカや中国など多くの国では100万円が目安となり、欧州では200万円〜250万円が目安となります。商標については、1区分の場合に権利取得までに必要な費用の総額は、アメリカや中国など多くの国では25万円が目安となり、欧州では50万円が目安となります。これらは目安にすぎず、記載した金額よりも高くなる場合もあります。
なお、外国特許庁への出願手続きは、出願国で資格を持つ現地代理人(出願国の弁理士)に依頼します。また、現地代理人とのやり取りは、通常、現地代理人と円滑にコミュニケーションを取れる日本の特許事務所を介して行います。また、現地の言語への翻訳も必要となります。従って、費用の内訳は次のようになります。
(A)出願国の特許庁の手続き費用(庁費用)
(B)出願国の現地代理人のサービス料
(C)翻訳費用
(D)日本の特許事務所のサービス料
次に補助金については、上述の(1)〜(3)のうち、最も高額となる(1)出願手続きの費用を対象に、中小企業向けの補助金があります。必ずしも採択される訳ではありませんが、採択された場合、補助対象経費の半分以内で補助金を受けることができます。なお、この補助金は、年中応募を受け付けている訳ではなく、応募時期に注意する必要があります。