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大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

飲食店を開業したい。

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  • 飲食店を開業したい。

    飲食店を開業したいのですが、どのようにすればよいのでしょうか。

    店舗経営が継続できる創業計画を検討します。


     飲食店を開業すると決めたら、お店のコンセプト(根幹となる考え方)を検討します。「どんなお客様に」「どんな雰囲気のお店で」「どの場所で」「どんな料理を提供するのか」を検討していきます。「どんなお客様」をターゲットにして、「どんなニーズがあるのか」を検討しながらコンセプトを決めていきます。お客様のターゲットはつい広げがちですが、狭い方が良いです。狭いターゲットに絞る方がお店のコンセプトが決まりやすく、お店の特徴を創り出すことができ、想定したターゲットだけではなくターゲット周辺のお客様も来店してもらえるからです。これから自分のお店で経営していきますから、コンセプトはじっくり考えることが重要です。
     お店の業態として、自分の得意なジャンルや料理メニューも重要な要素ですが、競合店に勝つことができる店舗になることも重要な要素です。そのためには、どの場所でお店を開業するのか、その地域にはどのような競合店があるのかを調査します。インターネットが進んだ時代ですが、リアルの店舗にお客様に来て頂いて食事を提供する場合、場所選びは非常に重要な要素になります。さらに場所に応じた業態選択も重要な要素です。
     ここでは「焼き物料理」が得意な経営者が出店した時の例を挙げます。出店場所はA駅のすぐ近くとし、商圏をA駅より半径3㎞(A駅から次の駅までの距離)の範囲としました。客層は30〜40代のサラリーマンをターゲットとして、経営者は出店予定地から商圏の範囲にある「焼鳥屋」と「焼肉屋」を自分の足で歩いて調査しました。調査の結果、焼き肉屋は想定より多く、焼鳥屋は想定より少ない為に「焼鳥屋なら地域で勝ち残れる」と判断して焼鳥屋を開店しました。今ではそのお店は繁盛店になっています。
     お店のコンセプトが決まったら、創業計画を立てます。創業計画ではまず必要な固定費を計算します。固定費はお店を運営するだけでかかってくる経費です。固定費には人件費、減価償却費、家賃、水道光熱費、消耗品費、通信費、旅費交通費などが含まれます。固定費を粗利率で割ったものが損益分岐点売上高です。損益分岐点売上高は利益がゼロの時に必要な売上です。粗利率は、1個当たりの商品を販売した価格から仕入費用を引いた粗利額の割合を意味します。
    例えば、ひと月の固定費が1,056千円の店舗で粗利率が60%のお店の場合、
     ひと月の損益分岐点売上高=(固定費1,056千円)÷(粗利率60%)=1,760千円
    一個当たりの商品価格を千円で販売する場合に、ひと月に1,760食販売しなければ利益が出ません。売上を上げるための販路開拓の方法として、表看板設置、立て看板設置、ホームページ作成、SNS広告、街頭でのチラシ配布、新聞折り込みチラシなどがあります。販路開拓しても損益分岐点売上高に届かないと判断した場合は、店舗経営を継続できませんので、創業計画を根本的に見直す必要があります。

    月別ブロックパズル(飲食店の開業)
     創業計画を立てたら必要な資金を調達します。開業当初は思うような売上を上げられなくても経営できるようにします。通常で、固定費の半年分と運転資金(売掛金の回収と仕入費用の支払い)をあわせた金額以上の資金が必要と言われています。金融機関に創業計画を提示して資金融資の相談をします。
     お店を開業するには様々な事項を検討し、計画的に進めていく事が重要です。

回答した専門家
生産管理

窪津 正充

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