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最近、中国企業による対日投資が増えていると聞きます。具体的にはどのような方法が考えられるのでしょうか。また、対日投資にあたって中国企業はどのような手続を経る必要があるのでしょうか。
ファンドによる投資、会社設立、支店や駐在事務所等の方法があります。
1.中国企業による対日投資の方法
①ファンドにより株式投資や不動産投資を行う方法、②会社を設立してM&A(株式取得、事業譲渡・会社分割、合併・株式交換・株式移転)を行う方法、③会社を設立して自ら事業を行う方法、④支店、駐在事務所を置くことなどが考えられます。
2.中国企業側に必要となる手続
(1)外国為替及び外国貿易法
日本における会社設立や株式取得等、外為法の「対内直接投資等」に該当する取引を行う場合は、法律の定める期間内に、所定の書式に必要事項を記載して、日本銀行に事後報告を行う必要があります(ただし、例外があります)。
また、内容審査を伴う事前届出が要求される業種(例えば、航空機に関連する製造業、通信事業等)もあるので、対日投資を行う前に弁護士に確認する必要があります。
(2)中国における海外投資に関する許認可手続
中国企業による海外投資には許認可制度が実施されており、中国企業は政府機関による各種許認可を取得しなければ海外投資を行うことができません。
一般的には、発展改革部門、商務部門、外貨管理部門の順で、それぞれの政府機関から許認可を取得する必要があります。ただし、具体的な手続や実務的な対応については、中国律師に確認するなどして、慎重に対応する必要があるでしょう。
(3)経営・管理ビザの取得
日本において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動を行う場合には、経営・管理ビザを取得する必要があります。
経営・管理ビザは、以前の投資・経営ビザが改正されたもので、2015年4月から、外国人が日本で会社を設立する際の在留資格要件が緩和されています。
(4)その他日本の法律に従った手続
事業運営にあたり必要となる許認可を取得したり、会社法、労働法、税法、知的財産権に関する法律等に従った対応を行う必要があります。