ソリューショングループ商品企画チーム マネージャー代理
金丸 等氏(右)
技術・開発グループ商品開発チーム リーダー
遠藤 学氏(左)
創業/1923年 資本金/8,000万円 従業員数/720名 事業内容/魔法瓶、炊飯ジャー、電気ポット、電気調理器具、アウトドア用品など生活用品の製造(2012.8月現在)
トラのロゴマークでお馴染みのタイガー魔法瓶株式会社。大正期の虎印魔法瓶製造・販売に始まり、暮らしに身近な数々の製品を世に送り出してきた。現在は卓上調理器分野に特に力をいれている。メインユーザーである主婦のニーズを丁寧に汲み取り、日々の調理を楽しく、快適にする製品を相次ぎ市場に投入している。最近では、昔ながらの土鍋の良さと最先端の炊飯技術を組み合わせた土鍋I H 炊飯ジャーのヒットで話題を呼んだ。
「製造業の逆見本市」への出展は、昨年が初めて。「未知の分野の技術を取り入れ、商品開発の良い刺激になれば」との思いで参加した。結果的に76件の提案があり、20件について商談を実施。現在、そのうちの4社と商品開発を進めている。設計委託、基板検査装置納入、部品開発、販促物制作がその具体的内容だ。惜しくも価格面で折り合いが付かなかったものの、「魅力ある技術・提案が4社以外にも複数あった」という。
このように、前回の出展で大きな手ごたえを感じられたことから、今回も迷わず出展を決定。ステンレスやモーターなどへのあらゆる加工技術の提案や、制御・設計から生産全般まで委託できる企業などで新たな調達先を探す。求める技術・提案は、前回からさらに絞り込んだ。「できる限りミスマッチを防ぎ、実りのある出会いを果たしたい」と考えたためだ。
近年、中国、台湾、北米など海外での売上が急伸。今後は新興国地域の開拓も進めていく方針で、新製品開発体制をさらに強化していく予定。「ユーザーメリットにつながる提案が欲しい。コスト面の制約は厳しいものの主要部品は日本品質にこだわりたい。複数社からの提案を組み合わせ、当社が陣頭指揮をとる形で『面』の動きにできればベストだと考えている」。異業種の企業との出会いから生まれる企画・開発に期待を寄せる。
前回の逆見本市で出会った企業の技術が今後生かされるのが炊飯ジャーの分野。販売が好調な海外市場も意識し、今回の逆見本市でも新たな技術・提案を求めたいという。