主催:大阪市立大学大学院工学研究科/大阪市立大学URAセンター/大阪産業創造館(公益財団法人大阪産業局)
オープンラボラトリーとは?
産学官連携をめざす“出前”研究室
大阪市立大学大学院工学研究科は、産業界、社会との活発な交流を通して、大学における基礎研究のさらなる発展を期するとともに、有機的な「産」・「学」・「官」のパートナーシップを築き、萌芽的、挑戦的な応用研究の開拓によって、大阪市を中心とする地域に密着した新しい産業の創生と育成、都市大阪の再生に積極的な役割を果たすことをめざして、「都市・環境」、「新エネルギー」、「ナノ領域マテリアル・バイオ」、「IT活用」などの重点研究部門についての最新の研究成果、これまで培ってきた基礎研究の成果を、“出前”研究室という形で広く社会に発信します。
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今回のテーマ
メインテーマ: 「機能創成科学教育研究センターがめざす材料研究」
効率よくエネルギーを生み出し(創エネ)、それを蓄え(蓄エネ)、更にロスなく利用する(省エネ)社会の実現が強く求められています。材料科学、材料技術の立場からこのような社会的ニーズに応えるために、2018年4月に工学研究科内に機能創成科学教育研究センターが設立されました。今後、異なる研究分野間の連携を強化し、新たな機能の創成、環境負荷低減への貢献をめざします。
第77〜78回では、同センターの研究内容を中心に、社会の低炭素化につながる材料科学、材料技術の研究成果を紹介します。
第78回テーマ:「高効率エネルギー変換をめざして-化学からの挑戦」
エネルギー変換には、光・電気・機械・化学物質などの相互変換が考えられますが、多くの場合、電気を中心としたエネルギー変換です。将来的には、電気を経由しないエネルギー変換が高効率な変換へと結びつく可能性があります。機能創成科学教育研究センターでは、これらの高効率エネルギー変換をめざして、材料化学の立場からアプローチし、新たな機能の創出を行っています。
今回は、当センターで進めている「有機結晶を利用したフォトアクチュエータの開発」「光エネルギーを化学エネルギーへ直接変換するための触媒開発」「圧電性、焦電性を有するフッ素系ポリマーの結晶構造制御」に関する研究の成果を紹介します。
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プログラム
■13:30-13:35
開会挨拶・本日のテーマについて
産学官連携推進委員会委員長 大島 昭彦
■13:35-13:40
「機能創成科学教育研究センターの設立目的」
電子情報系専攻 教授 重川 直輝
■13:40-14:35
「光で駆動する有機分子結晶フォトアクチュエーターの機能」
化学生物系専攻 教授 小畠誠也
アクチュエーターとは電気、磁気、流体圧などによって伸縮や屈曲などの仕事をする機械要素のことであり、ピエゾ素子に代表されるように機械部品や電気回路などの小型部品としても重要です。しかし、さらに微小な部品には非接触型のアクチュエーターが有効であると考えられます。
我々は光によって可逆に光反応を示すフォトクロミック化合物からなる結晶が光で駆動するフォトアクチュエーターとして機能することを見出しています。本講演では、そのフォトクロミック結晶材料の特性とともに、フォトアクチュエーターとしての機能についてご紹介します。
■14:35-14:40 質疑・討論 大島昭彦
■14:40-15:35
「光触媒を利用した燃料合成」
化学生物系専攻 教授 山田裕介
持続発展可能な社会を実現するために自然エネルギーの有効利用技術が注目を集めています。自然エネルギーの中で最も豊富に存在するのは太陽エネルギーです。太陽エネルギーは太陽電池を使うと電気エネルギーへと変換することができますが、電気には貯蔵が難しいといった問題点があります。
我々は、光エネルギーを利用して貯蔵が容易な化学燃料を合成するための触媒材料に関する研究を行っています。本講演では、次世代の燃料として注目を集めている水素を光エネルギーを用いて合成するための触媒について紹介します。また、燃料合成に水を利用するために欠かせない水の光酸化触媒についても紹介します。
■15:35-15:40 質疑・討論 大島昭彦
■15:40-15:50 休憩(10分間)
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■15:50-16:45
「ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の結晶構造制御-振動エネルギーを電気エネルギーに」
化学生物系専攻 教授 堀邊 英夫
PVDFの結晶構造には、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ型の3種類がある。従来、Ⅰ型PVDF(圧電性・焦電性あり)は、あらかじめⅡ型のPVDFを製造しその後超延伸するなど容易には作製できなかった。我々は、PVDFと相溶性の高いPMMAをブレンドすることにより、具体的にはPVDF/PMMA= 70/30wt%を溶融後に急冷し、アニールすることで、PVDFⅠ型の結晶構造が優位に得られることを明らかにした。また、PVDFの溶媒キャスト法において、単一溶媒からキャスト後の溶媒の蒸発速度を制御することにより、3つの結晶構造を初めて作り分けた。
本講演ではポリマーのミクロの結晶構造が、マクロの膜物性にどのように影響するかについても話したい。
■16:45-16:50 質疑・総合討論 大島昭彦
■16:50-16:55
学術・研究推進本部の活動紹介
URAセンター 四方啓嗣
■16:55-17:00 総括・次回テーマについて・閉会挨拶
産学官連携推進委員会委員長 大島昭彦
■17:05-18:30 交流懇親会
最近のオープンラボラトリーの発表テーマ(開催済)
大阪市立大学大学院工学研究科「オープン・ラボラトリー」の過去の開催内容
(11)『明日を拓くロボットテクノロジー』
第25回:未踏工学分野-ミクロ・ロボティクス
第26回:ロボット用視覚システムの開発と3次元ディスプレイの実現
第27回:安全なロボットを実現する材料
(12)『より良い生活を支えるマテリアルの開拓』
第28回:環境に優しいマテリアル創製テクノロジー
第29回:エネルギーとバイオにおける次世代機能性材料
第30回:マテリアルの物性と計測の最前線
(13)『ナノ構造金属材料研究の最新報告』
第31回:ナノ構造金属材料研究の最新報告
(14)『都市環境新生に関するコア技術』
第32回:環境との調和のとれた都市内橋梁を目指して
第33回:都市環境のシミュレーションと計画
(15)『都市のライフライン(老朽下水道管路)の更生』
第34回:都市のライフライン(老朽下水道管路)の更生
(16)『医療と製薬への工学的アプローチ』
第35回:医薬を進歩させるバイオ工学
第36回:医療と製薬への工学的アプローチ
(17)『エネルギー貯蔵・変換技術の研究最前線』
-脱化石燃料社会を目指して-
第37回:インサーション材料からなる12V“非鉛系”蓄電池
第38回:燃料電池の開発および各種燃料電池を用いたマイクロ・コージェネレーションシステム
(18)『材料の"知的機能"とその応用』
第39回:環境浄化と材料
第40回:複合材料
第41回:欠陥を見つける・調べる・利用する
(19)『画像処理と表示』
第42回:画像認識と処理技術
第43回:3次元画像表示技術
(20)『大阪市立大学 複合先端研究』
第44回:大阪平野の地盤・地下水環境
第45回:地下水の浄化と有効利用
第46回:空から降ってくる光と熱を大都市・大阪にどう活かす?
第47回:海と陸から見る臨海都市・大阪の生態系評価と環境対策
第48回:Solar to Fuels(太陽光からの燃料生成)拠点形成
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(21)『工学研究科 プロジェクト研究』
第49回:オキサイド・マテリアルの新展開
第50回:ヒューマンインターフェースとロボティクスによる人間機能の拡張
第51回:バイオインターフェース先端マテリアル
第52回:都市における未利用エネルギーの活用技術
第53回:水辺の環境再生と資源の有効活用のための物質の回収・追跡技術
第54回:インフラ構造物の健全度診断・長寿命化技術
第55回:自然水系の活用
第56回:人工水系の活用
第57回:複雑材料の計測と加工
第58回:スマートプロセス技術が拓く材料イノベーション
第59回:複雑熱流体を操る技術
第60回:都市問題とスマートエネルギー
第61回:医薬をめざすバイオ技術の進歩
第62回:材料化学の最先端
第63回:省エネルギーと快適性
第64回:あらためて建築物の安全性を考える
第65回:エネルギー創出への総合的な取り組み
第66回:大気圧プラズマを用いたプロティン・セルテクノロジの新展開
第67回:表面ナノ制御・接合技術が拓く材料・プロセスイノベーション
第68回:ロボットテクノロジーを応用した安全・安心な街づくりおよび移動支援システム
(22)『いのちを守る都市づくり』
第69回:都市防災教育 -地域に根ざした災害リスク学習の取り組みとICTの利活用-
第70回:災害時のいのちを守る術
第71回:大阪の防災・減災に向けた取り組み<1>
第72回:大阪の防災・減災に向けた取り組み<2>
(23)『インフラ構造物を守るための診る・治す技術』
第73回:インフラ構造物を守るための診る・治す技術
第74回:身近なインフラ、どう診る、どう直す
(24)『医療をイノベーションする工学研究』
第75回:核酸医薬デリバリーシステムの確立
第76回:医工産連携ハブ技術の展開
(25)『機能創成科学教育研究センターがめざす材料研究』
第77回:創エネ・省エネ材料-ナノ構造、ナノ材料からの発信
次回テーマ
第79〜80回「オープン・ラボラトリー」メインテーマ
『AI(人工知能)とロボティクスがもたらす新しい世界』
第79回テーマ:「人工知能が拓くこれからの情報処理」
2019年7月22日(月) 13:30-17:00
大阪産業創造館6F 会議室AB 定員 80名
人工知能や機械学習の研究は、ビッグデータの普及やディープラーニング等の学習技術の発展により、第3次ブームといわれる盛り上がりをみせています。経験から学習して処理方法を得たり、論理的な推論を行うことなどが可能となりました。本工学研究科においても様々な研究分野でそれらの技術が利用されています。
今回は、人工知能・機械学習に関して、技術の基礎と最近の話題を紹介し、その応用としてインターネットから情報を抽出するWebインテリジェンスや、個人の人生を記録するライフログ、柔軟な対応が可能な医療情報処理や各種画像処理、雑多な文章の自然言語処理などに関して、研究成果を紹介します。
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お客様の情報について
お申込みいただくお客様の情報は、共催の大阪市立大学と共有させていただきますので、ご了承の上、お申込みください。
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大阪産業創造館の周辺地図
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Osaka Metro「堺筋本町駅」下車
「中央線」1号出口「堺筋線」12号出口 各徒歩約5分
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