概要
「エネルギーハーベスト」など次世代の技術に必須のエネルギー変換材料。
ものづくりを進化させる最先端の技術をわかりやすく解説します。
今日、エネルギー問題は、人口爆発、資源の安定供給、気候変動・災害への対応など、地球規模の最重要課題であります。さらに、わたしたちの身の回りでは、人工知能(AI)の発展、モノのインターネット(IoT)時代の到来にともなって、急速な社会変革が起きています。
こうした状況下、創エネ・蓄エネといったエネルギー変換技術の分野においては、安全性・信頼性重視、希少元素を用いない元素戦略、グリーンプロセスを意識した製造技術、軽量化・ウェアラブル要求など、新たな視点に立ったモノづくりが必要になっています。
今回のセミナーでは、軽量・高クラーク数・安全を兼ね備えたマグネシウムシリサイド熱電変換材料、低環境負荷プロセスで製造できる酸化物太陽電池、高エネルギー密度の全固体二次電池、くりかえし性能に優れた高容量電池材料について、大阪産業技術研究所の研究員が豊富な技術シーズを発表します。
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内容
1. 13:00-13:05
あいさつ 理事長 中許昌美
2. 13:05-13:50
「未利用熱エネルギーを電気に変換するマグネシウム系熱電材料」
講師:電子材料研究部 無機薄膜研究室 研究主任 谷 淳一
熱を電気に変換する熱電変換技術の分野は、乗用車、トラック、ごみ焼却場、工場などの廃熱エネルギーを有効利用し、地球環境問題への貢献が期待できることから、その実用化に一層の期待が集まっています。また、エネルギーハーベスティング技術の分野においても熱電素子が大きな注目を集めています。本講演では、熱電変換の基礎、材料開発の動向、応用事例などについて解説した後、当研究所がこれまで取り組んできた、無害、安価、軽量などの特長を有するマグネシウムシリサイド熱電材料の研究内容を紹介します。
3. 13:55-14:40
「フレキシブル汎用酸化物太陽電池の実現に向けて」
講師:電子材料研究部 無機薄膜研究室 研究主任 品川 勉
太陽電池は、太陽光から電気をつくる光電変換デバイスです。現在は主に結晶性シリコンを材料とした太陽電池がメガソーラー発電や住宅発電に使用されています。当研究所では、「太陽電池をもっと身近に」をコンセプトとした、銅や亜鉛など汎用金属の酸化物を材料とする軽量でフレキシブルな太陽電池を、真空・高温処理を用いない水溶液プロセスで作製することに取り組んでいます。本セミナーでは、その要素技術である水溶液電解析出法(電気めっき)による酸化物半導体形成について紹介します。
― 休憩10分 ―
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4. 14:50-15:35
「高エネルギー密度を実現するシート型硫化物系全固体電池」
講師:電子材料研究部 電池材料研究室 研究主任 山本 真理
硫化物系固体電解質を用いた全固体電池は、安全性・信頼性、広い温度域への適用性、高エネルギー密度、高出力特性が期待され、自動車や定置用大型蓄電池への応用が検討されています。実用化のためには、現状の錠剤型電池から量産性に優れたシート型電池への転換が求められ、製造プロセス開発が必須であります。本講演では、高エネルギー密度を実現するスズ系負極材料、電極複合体シートや揮発性バインダーの開発、電池成型圧の影響について紹介します。
5. 15:40-16:25
「めっき技術を利用した高容量・高耐久性電極の開発」
講師:電子材料研究部 表面工学研究室 研究主任 小林 靖之
リチウムイオン二次電池は,携帯電子機器の発達にともない薄型化・軽量化を目指してより高エネルギー密度を有する電極材料の開発が求められています。そのため,これまで使用されてきた負極のカーボンや正極の遷移金属酸化物以外の材料が注目されています。当研究室ではこれまで,スズ系材料や硫黄系材料に関して水溶液からの電解析出法により、構造あるいは組成制御による高性能電極材料の開発を進めてきました。本講演では,めっき技術を利用した薄膜電極材料の話題と開発事例を中心に解説します。
6. 16:30-17:00
総合相談会
当日は、講演会場外のエントランスにて、上記の2〜5の講演に関する質問に対して講師が直接答えるブース、その他のエネルギー関連材料に関する一般的な質問にも対応するブースを設けます。ぜひご利用下さい。
ご注意
【お客様の情報について】
お申込みいただくお客様の情報は、大阪産業技術研究所と共有させていただき、同研究所関連の催事情報をダイレクトメールでお知らせいたしますので、ご了承の上お申込み下さい。
【お申込みについて】
1社から原則2名までのお申込とさせていただきます。
(お申込みはお一人ずつ必要です。1社を代表してのお申込みは、申込者のみの受付となりますのでご注意ください。超過申込み分については、ご入場頂けない事がございます。あらかじめご了承ください。)
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