今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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定年を迎えるくらいの年齢の社員がたくさん出てくることが予想されます。社会保険制度等で把握事項があれば教えてください。
現役時代と定年再雇用の賃金差を埋める制度があるので活用しましょう。
定年再雇用時に1日の空白期間もなく引き続き雇用する場合の雇用保険と社会保険の注意点について解説いたします。
■雇用保険
①賃金変動が生じない場合
定年再雇用後に賃金が変動しない場合、手続きの必要はありません。
ただし、再雇用された際に1週間の所定労働時間が20時間未満となると雇用保険の被
保険者資格を失うため、雇用保険被保者資格喪失届の提出が必要になります。
②賃金が減少する場合
定年再雇用後に賃金額が減額した場合、一定の要件に当てはまると「高年齢雇用継続基本
給付金」が受給できる可能性があるため、手続きが必要になります。
「高年齢雇用継続基本給付金」とは、60歳以降の職業生活の円滑な継続を促進・援助する
ために、賃金低下の一部を補う給付金です。
①60歳以上65歳未満の一般雇用被保険者であること
②雇用継続を受けた後の賃金が従前の75%未満になること
③雇用保険を5年以上の期間支払っていること 以上3要件を満たすことで受給できる可能性
のあるものです。
そのため、定年再雇用時には「高年齢雇用継続基本給付金」が受給できるかどうか、最寄り
の公共職業安定所に確認することをお忘れの無いように注意してください。
■社会保険
①賃金に変動が生じない場合
定年再雇用後に賃金が変わらない場合は、手続きの必要はありません。
②賃金が減少する場合
定年再雇用後に賃金額が減額した場合は、被保険者資格自体の手続きの必要はありません
が、社会保険料を減額するための手続きが必要になります。
定年再雇用する場合は、特例として年金事務所に社会保険の資格喪失届と資格取得届を同
時に提出する(同日得喪)ことで、再雇用後の標準報酬に応じて新しい保険料に直ちに改
めることが可能になります。再雇用後の労働者の負担を少しでも軽減するためにも同日得
喪の手続きは忘れずに行うようにしましょう。