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大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

中国企業とライセンス契約を締結する際の留意点を教えて下さい

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  • 中国企業とライセンス契約を締結する際の留意点を教えて下さい

    当社は特殊な技術をもった日本の製造業者です。この度、当社がライセンサーとして中国企業に対して技術とノウハウを提供することになりました。中国企業とライセンス契約を締結する際の注意点を教えて下さい。

    ライセンス契約の手続と、契約内容に留意する必要があります。



    1.ライセンス契約の手続
     中国では、輸入の対象になる技術の類型として、禁止類・制限類・自由類がありますので、まずはどの類型の技術に該当するかを確認する必要があります。
     禁止類であれば輸入が禁止され、制限類であれば輸入に許可が必要となり、許可が契約の効力発生条件となります。自由類であれば契約締結により効力が生じますが、商務部門に契約を届け出る必要があります。この許可や届出により、中国から日本へライセンスフィーを送金することが可能になります。
    2.中国の法規等による規制
     「技術輸出入管理条例」「契約法」の規制や、「技術契約紛争案件の審理における法律適用の若干問題に関する解釈」(最高人民法院の司法解釈)等に注意する必要があります。
     従前、「技術輸出入管理条例」では、ライセンサーに多くの制限が課されており、当該規制は強行法規(当事者の合意で排除できない)と解されていましたが、2019年3月2日の国務院決定により、同条例第24条3項(第三者の権利を侵害した場合に技術供与側が責任を負う)、第27条(改良技術の成果が改良した当事者に帰属する)、第29条(技術譲受人に対する制限条項の禁止)が削除されました。これに伴い、一定程度、ライセンス契約の内容を自由に合意できる余地が生じました。
    3.ライセンス契約における注意点
    (1)技術やノウハウの対象を明確にする
     ライセンス対象(技術やノウハウ)が不明確な場合、第三者との間でトラブルが生じたり、中国企業から想定以上の技術やノウハウの提供を求められ、提供を拒否するとライセンスフィーの支払いを拒絶されるなどのトラブルが生じる可能性があります。
     このようなトラブルを避けるため、ライセンス対象を明確に規定したり、第三者から権利侵害を主張された場合の対応等について規定しておく必要があるでしょう。
    (2)改良技術の帰属について
     「技術輸出入管理条例」第27条の削除及び「契約法」第354条が改良技術の享受方法の契約による合意を認めていることから、今後は、改良技術がライセンサーに帰属すると合意することもできると考えられます。もっとも、「技術契約紛争案件の審理における法律適用の若干問題に関する解釈」第10条により、中国側から技術の違法独占であると主張されるリスク等もあるので、契約書の内容を慎重に検討する必要があります。

回答した専門家
法律(弁護士)

岸野 祐樹

海外進出、海外企業との取引やトラブル、M&A、対日投資や国内法務も含め、お気...

律師事務所(上海市・台北市)での1年間の実務研修を終え、2017年3月に帰国しました。
海外滞在中は、異なる法律・価値観・ビジネス慣習に触れ、日本の良さや足りない部分を感じることができました。
今後も、日本企業・中華圏企業を問わず、日本と中華圏のビジネスを法律面からサポートできればと思っています。
大阪と東京にオフィスがあり、どちらでもご相談に応じることができるので、お気軽にご連絡...

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