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     幅広い分野で近畿・西日本の卸売機能を担う大阪 ~ファッション系で広域な商圏を誇る!~

商品の売れ行きを月別に見ると市内の12月の販売額はその他の月の平均よりも4割多いのですが、今年の師走はさてどうでしょうか(商業販売統計)。今回はこうした小売店の販売・物流を支える卸売業を見てみます。

 本社機能の東京シフトが進む典型的業種の卸売業ですが、依然、大阪の卸売機能は並外れた集積を誇っています。市内卸売業の販売額は41兆円/年で全国の10%を占めており、人口やGDPなど各種経済・産業指標の中でダントツに高い全国シェアを誇っています。
 卸売販売額を商品の種類毎にみると、やはり歴史的経緯から繊維・衣服関連のシェアが25%と突出していますが、建築材料などファッション関連以外のいずれも10%前後のシェアを有しています【図1】

 次に卸売と小売との関係をみます。大阪市の場合、卸売業の販売額は41兆円ですが、小売販売額は4.5兆円(2007年速報)であり、両者の倍率(W/R比率)は9.2にも達します。全国のW/R比率は3.1ですので、大阪は3倍の集積を誇っています。別の見方をすると、大阪市の卸売機能は単に市内の卸・小売向けにとどまらず、近畿を中心に西日本エリアなどの卸・小売に対する卸売機能を果たしていることになります。

 それを具体的に見るために、3大都市圏について、分母を近畿・関東・中部各圏の小売業販売額とし、分子に大阪市、東京都区部および名古屋市の卸売業販売額をとった擬似W/R比率を考え、一般消費財系の商品群について算出してみました【図2】。この図から言えることは、1)東京の卸機能は各種商品を筆頭に関東圏の小売消費をいずれの商品についてもカバーしている(1以上である)、2)名古屋の卸機能は中部圏の小売消費をいずれもカバーしきれていない、3)大阪の卸機能はその中間でファッション系と各種商品については、近畿圏の小売商費をカバーしているが、飲食料品や家具・その他に関してはカバーしきれていない。4)特にファッション系については大阪は東京の比率をも上回っており、西日本や北陸・中部にまで商圏が広がっている可能性が高い、などであります。

 倒産割合が高く、厳しい状況の続く卸売業ですが、国際交易や国内広域交通、物流拠点などの恵まれた大阪の環境条件を活かしつつ、円高メリットを発揮したような持続的拡大が期待されます。  

【図1】卸売業の商品別の販売額の動きと大阪市のシェア



資料:経済産業省「商業統計調査」(平成16、19年(速報))

 


  左グラフ
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【図2】3大都市圏における母都市の卸売販売額(分子)と
    圏域の小売販売額(分母)の比



資料:経済産業省「平成19年商業統計調査(速報)」
注:近畿:2府4県、関東:1都7県、中部:三重~長野の5県。
  各種商品の卸売業としては総合商社などが代表的である。


  左グラフ
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