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     雇用創出につながる設備投資で突出する大阪
     ~情報通信、金融・保険、サービス業で集積を加速する大阪!~

景気減速が明らかとなり、暗い話題が多い中で、日本政策投資銀行の設備投資計画調査によれば、関西圏での今年度の投資は依然として堅調であることは朗報です。そこで今回は設備投資と事業所開設の関係を分析し、大阪に集積しつつある産業分野を見てみます。

 企業が実施する設備投資により、工場の新増設や店舗・サービス拠点の開店・改装などが推進されます。そこで、マクロ経済的に捉えて、年々の設備投資がどの程度、事業所の新設に結びつくのかを分析します。使用データとして、企業設備投資は県民経済計算を用い、事業所開設につい てはその規模の大きさを表現する意図から新設事業所従業者数とします。両者の関係を近畿圏の府県別・大都市別に見ると概ね直線的関係が認められます【図1】。すなわち、多額の投資が行われるエリアには多くの従業員が新設事業所で就業するという関係(必ずしも全員が新規雇用ではありません)が統計的に認められます。おおまかに言えば1兆円の設備投資が5万人近い従業者に新たな働き場所をもたらすことになります。図1で大阪市や大阪府(大阪市以外)は右上方に位置し、多くの資本が集中的に投下され、就業環境が改まる従業員が多数にのぼることがわかります。

 次に、どの産業分野での新設事業所従業員が多いかを主要産業について自治体別にみると【図2】、総数としては卸売・小売、サービス、飲食・宿泊、医療・福祉といった第3次産業が上位を占めており(4分野で全体の66%)、こうした産業での雇用流動が活発なことを示唆していると言えましょう。大阪市が関西2府4県に占めるシェアを産業別にみれば、情報通信の64%を筆頭に、金融・保険の45%、サービスの40%が突出しています。他方、“商いの街:大阪”を象徴する商業や飲食では平均水準に過ぎず、徐々に“サービスの街:大阪”に変わりつつあることがわかります。  

【図1】企業設備投資と新設事業所従業者数の関係



資料:各自治体「県(府・市)民経済計算」、総務省「平成18年事業所・企業統計調査」
注:・新設事業所:平成13年調査の調査日後、5年間に開設した事業所(他からの移転も含む)。
   よって、5年間の間に開設されても18年調査時点で閉鎖等となったものは含まれない。
  ・設備投資がすべて新設事業所につながるものではないことや、新設事業所においてもすべて
   が新規雇用の従業者ではないことに留意する必要がある。

 


  左グラフ
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【図2】産業別新設事業所従業員数の自治体別状況と大阪のシェア

資料:総務省「平成18年事業所・企業統計調査」


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