今、国内外で自転車ブーム。背景には健康志向やガソリン高などが考えられる。実は大阪は生産と販売の両面でチャリ大国なのである。具体的に見てみよう。
まず、生産については、1990年に800万台を誇っていた国内完成車台数は、価格の安い中国製輸入品に市場を奪われ、この数年は年率20~30%もの減少率となり、2007年の国産台数は114万台と1/7にまで縮小している【図1】。厳しい状況が続く国内自転車産業であるが、車種別にみると電動アシスト車が増勢である他、スポーツ車も2年連続で増加中である。
また、自転車部品を含めた製造品出荷額でみると、全国に占める大阪府の割合は6割以上(05年)で、第2位である埼玉県の11%の5倍以上と他を圧倒している。
他方、販売についても、大阪は平坦な地形や雨天の少なさ、さらには合理的気質などがあいまって、1人あたりの自転車販売額は大都市の中でトップ、人口あたりの保有台数をみても全国トップである【図2】。また、自転車専業として唯一全国チェーン展開を推進している小売業本社も大阪市内にある。さらに、車種別の地域別販売状況をみると、大阪での電動アシスト車比率は1割近くと推測され、他地域の約2倍となっている。
こんな自転車大国「大阪」であるが、チャリを取り巻く概況は、利用しやすい駐輪スペース不足⇒不法駐輪横行⇒歩道等占拠⇒自転車利用者の不満・ストレス増といった流れや、安物自転車の市場支配⇒自転車を大切にしない風潮⇒盗難防止の配慮不足⇒盗難件数の高止まり⇒安物自転車の購入という悪循環に陥っている。低炭素社会をめざすうえでも、乗り物で最高のエネルギー効率を誇る自転車利用を活かす視点が重要であり、自転車道・駐輪スペースの整備⇒安全性・利便性・快適性の向上⇒自転車利用の意識改革⇒自転車関連産業の集積、といった好循環形成に向けて最大のポテンシャルを誇る大阪の特長を活かすべきである。
【図1】自転車の国内生産と輸入動向、および増加基調にある車種の生産動向

資料:(社)自転車産業振興協会「自転車統計要覧」、(社)自転車協会会員統計
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左グラフ
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【図2】自転車の販売・普及をめぐる最近の状況

資料:経済産業省「商業統計」、(社)自転車産業振興協会「自転車統計要覧」、総務省「人口推計」
※1人:主たる購買層の5~64歳人口あたりとして計算
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