大阪府内の製造業事業所数は23,564(従業員4人以上の数)で全国の9.1%を占め、第1位の“ものづくりエリア”を形成しています(※1)。また“中小企業の街”と言われており、その代表的な経営組織形態である個人企業の数は5,254(同4人以上)で全国の12.2%を占め、トップにあります(※2)。
大阪を筆頭に、個人企業が多い上位7府県を抽出すると、実に全国の企業数の43%を占めます。これら7府県について企業数と製造品出荷額の動向をみると、景気動向に左右されつつも減少が顕著であることが共通してうかがえ、企業数の減少率は年平均5%にも達しています(図1)。府県別にみると、依然として大阪が突出した集積を誇り、かつ平均事業規模も大きいことがわかります。愛知と兵庫が大阪に次ぐ集積地を形成しています。
こうした個人企業集積エリアについて、より零細な1~3人規模も含めた製造業の状況を「平成18年事業所・企業統計調査」により大都市レベルで比較すると、大阪市は9,480企業と全国の4.8%を占め、圧倒的に多く(東京23区は大阪市の1.6倍であるが、面積は2.8倍)、かつ全製造事業所に占める個人事業所の割合も41%と多いことがわかります(図2)。ちなみに全国に占める大阪市の全業種での事業所数シェアは3.4%、人口シェアは2.1%です。
こうした統計から、大阪のものづくり産業では個人企業が基盤技術や軽工業などを中心に重要な役割を担っていると言えます。また、大阪や兵庫に限らず近畿地方では個人企業の割合が多く(奈良:58%、和歌山:53%、京都:52%)、歴史や風土面からも特徴が現れています。
最近の景況感は企業規模による格差が際立つ傾向にあり、個人企業にとっては厳しい局面に直面していますが、同じ個人企業でも地域によって経営姿勢には違いが見られます。「個人企業経済調査」を分析したところ、近畿の製造業は“今後の事業展開”について、経営の多角化や事業の専門化を図るなどの積極姿勢を示す割合が16%と多く、関東:9%や東海:8%の倍近くの水準にあります(平成18年)。
今後の景気回復は予断を許さない状況にありますが、個人企業の経営者がこうした姿勢を持続させて環境変化に機敏に対応しつつ、大阪のものづくりを支えていくことを期待します。
(※1)平成18年(※2)平成17年 いずれも「工業統計調査」
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