ブルーノ・ムナーリの創造の世界
クリエイティブビジネスフォーラム
アーティストであり、また優れた理論家、教育者でもあったブルーノ・ムナーリ氏の名は、長年日本でも、その作品や子どもたちとの非常に特殊な関係を通して知られています。子どもたちとのこの親密な関係は、後に世界的に知られることになる創造のメソッドを構築する基盤となりました。このムナーリ・メソッドは、クリエイターにとっても、創造性を高める方法として重要視され、世界的に採り入れられています。
本フォーラムでは、ムナーリ氏の愛弟子であるシルヴァーナ・スペラーティ氏にお越し頂き、彼女がムナーリ氏から直に学んだ、創造に関する特徴あるビジョンについて、本質的な要素がどのようなものであったのか、長年イタリアに住み、デザインの本質について体得してきた批評家、アーティストの多木陽介氏が聞き手となって導き出します。
ページの先頭へ戻る
スピーカー:シルヴァーナ・スペラーティ氏(ブルーノ・ムナーリ協会会長)
ブルーノ・ムナーリ氏の直弟子で、ムナーリ氏の生前はコラボレーターを長年務める。教育者であり、ブルーノ・ムナーリ・メソッドRの指導者。モンテベッロ・デッラ・バッタリアにある実家の場所に「エニシダ農場学校」(Fattoria didattica delle ginestre)を創設、自然溢れる環境の中で、創造的プロジェッタツィオーネの思想を伝授している。また、各地の学校、及び教育委員会から招かれて教員への指導にも長年携わって来た。これらの場において、創造性に関するラボを、対象に合わせて考案し、実践している他、教育的なテクストの執筆や文化イベント(展覧会など)の企画もしている。2016年春にはNHKの招きを受け、東京で一週間子供たちのための創造力を伸ばすためのラボを開き、その一部始終が『奇跡のレッスン』という番組で紹介された。メビック扇町イタリア研修ツアーでもワークショップを実施。
ページの先頭へ戻る
聞き手:多木陽介氏(批評家、アーティスト)
1962年生まれ。1988年に渡伊、現在ローマ在住。演劇活動や写真を中心とした展覧会を各地で催す経験を経て、現在は多様な次元の環境(自然環境、社会環境、精神環境)においてエコロジーを進める人々を扱った研究を展開。芸術活動、文化的主題の展覧会のキュレーション及びデザイン、講演、教育活動、そして執筆と、多様な方法で、生命をすべての中心においた人間の活動の哲学を探究する。
著書に『アキッレ・カスティリオーニ - 自由の探求としてのデザイン』(AXIS)、『(不)可視の監獄 ? サミュエル・ベケットの芸術と歴史』(水声社)、訳書にマルコ・ベルポリーティ著『カルヴィーノの眼』、プリーモ・レーヴィ著『プリーモ・レーヴィは語る』(いずれも青土社)、アンドレア・ボッコ、ジャンフランコ・カヴァリア著『石造りのように柔軟な』(鹿島出版)などがある。
ページの先頭へ戻る