2009年10月30日
今年度3回目の大阪府・大阪市経済動向報告会(10/27)にて配布した資料:「混沌とした大阪経済を俯瞰する」 の中から、今回はその第6頁(4枚目の上図)を取り上げて解説する(下図に再掲)。

この図は、座標の縦軸に季節調整後の対前期比の業況判断DI(注)に関して前期との差分をとり、横軸には対前年前期比の業況判断DIに関して前年前期との差分をとって、2003年以後の各四半期の調査結果を位置決めして、各年の4点を線で結んだものである(四半期の区別は色にて、年の区別はシンボル形状にて判別できるようにしている)。よって、軸の意味からわかるように、縦軸は四半期単位での業況改善/悪化の変化の方向と大きさを示すものであり、3ヶ月間という時間が一定であることから、スピードの早さと理解することもできる。同様に、横軸は年単位で捉えた業況改善/悪化の変化の方向と大きさを示すことになる。両軸上で各時点を位置づけることで、四半期の短期的視点と一年の中期的視点をクロスさせて景況変化の方向・大きさをトレースすることが可能となる。また、この図では、プロット位置による意味づけをわかりやすくするために、どのエリアがどのような変化局面を示しているかを表わす目安としてゾーニングも明示している。
この結果をみると、2003年の景況が一年を通してほぼ“強含み”ゾーンにあって、翌2004年の1-3月期に一気に“急成長”し、その後、更なる成長はなかったものの、おおむねこの水準を上下する状態が2005年末くらいまで持続したことがわかる。しかし、2006年になると縦軸ではマイナスの状態が続き、2007年上半期でこそややプラスに戻したものの横軸ではマイナスのままであり、下半期になると“弱含み”となり、その後は2008年4-6月期を除いて左下側:第3象限に滞留して、ついに同年7-9月期では“後退持続”へ、さらに翌10-12期には“急後退”ゾーンにまで達することとなった。
2009年に入って1-3月期では一気に上方へ移動し、“下げ止まり”の兆候を見せ、4-6月期でもさらに上方へシフトし、短期的には持ち直しつつあるが、中期的には後退したままの状態であり、ようやく今7-9月期になって、中期的にも“下げ止まり”感を強めるまでに至ったと言える。しかし、横軸では2008年7-9月期よりもまだ左側に位置し、2年連続で-20ポイント超の後退局面にあることから、“底打ち確認”にまでは至っていないと判断される。
この先が気がかりとなるが、来期の見通しは季節調整後では今期と同程度のDIとなる見込みであることから、縦軸上では0付近に位置することとなろう。問題は横軸、すなわち対前年比でみた業況判断であるが、普通であれば“急後退”した2008年10-12期との比較になることから、大幅にDIが上昇することが期待され、一気にプラスゾーンに遷移することが期待される。我々の調査でも冬季賞与の落ち込みが厳しい見込みとなっているが、消費低迷による景気の2番底に至らないことを期待したい。
(注)DI:Diffusion Index. ここでは、業況が前期や前年同期と比較して「上昇の企業割合(%)」から「下降の企業割合(%)」を差し引いた%ポイント
経済調査室ホームページに掲載の文章・イメージなどの無断転載を禁止します。
Copyright(c) 2015. 経済調査室 All Rights Reserved.