当調査会の通常総会・理事会も終え、本格的に平成18年度事業のスタートとなりました。
総会後の特別講演会には、豊橋市のプラスチック精密部品メーカー:樹研工業の松浦代表取締役社長にご登場いただきました。
松浦社長は、数冊の書籍を執筆されておられ、テレビで取り上げられることも度々であり、先日も日経新聞社系の番組で特番として放映されていました。
実は、講演会後に日経新聞の記者が松浦社長にインタビューをされており、それが契機となって番組制作につながったものと思われます。であれば、
大阪まで遠出していただいた松浦社長に多少でも恩返しができたのではないかと自負しております。
先日、(財)大阪国政経済振興センター様のフォーラムにて、ブラジルのビジネス状況について聞く機会を得ました。ブラジルといえば、
FIFAワールドカップで注目されたサッカー王国やサンバ/カーニバルといったスポーツ・文化的なイメージが強く、
産業面では農産品のコーヒーくらいしか頭に浮かばない人が大半ではないでしょうか。私もそうでしたが、駐日大使館員のプレゼ
ンを聞いて唖然としました。
ここでクイズです。「ブラジルの輸出品目で最も金額が大きいものは何でしょうか?」 うーん?と唸っていませんか?ちなみに、コーヒーはベストテン圏外です。
これに正解できる人はよほどのブラジル通か、その業界人ではないでしょうか?
答えはジェット機なのです。世界第4位のエンブラエル社が製造する小型・中型航空機が米国や中国、スイス等に輸出されています。30~50席クラスでは世界市場の半分程度のシェアを占めており、現在は110人クラスの中型機まで、機種も様々であり、軍用機としても国外内で使用
されています。
先週、経済産業省の来年度予算の概算要求が発表され、6月に策定した「経済成長戦略大綱」の実現に向けた予算確保の姿勢が明らかとなりました。その中に"次世代航空機"の予算が今年度の4倍の20億円として盛り込まれています。
東レなどが製造する炭素繊維や重工メーカーが組み立てる主翼など、わが国の大手メーカーも世界の航空機メーカーにとって不可欠な存在ですが、隠れた存在として、大阪市内の中小企業連携体:次世代型航空機部品供給ネットワーク(OWO)の企業たちも重要部品を世界に提供しています。
また、ブラジルでは、航空機以外に、自動車でも世界の最先端を走っています。それは、ガソリン100%~アルコール100%までのあらゆる配合で走行できるフレックス車の普及です。ブラジルは世界最大のサトウキビ・アルコールの生産国であり、トウモロコシから製造するよりも効率が良く、
栽培耕地にも十分な余裕があります。原油高のご時勢、将来性は極めて明るいと言えましょう。日本でも遅ればせながらアルコール混合対応車の開発に取りかかるようです。
足元の景気は順調に回復しているようですが、中長期的には人口減少により、国内市場の縮小が確実視されているなかで、日本の技術力を結集して、ブラジル製を圧倒的に凌駕する次世代の航空機や自動車が実用化される日が、一日も早く到来することを期待しています。
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