今年の公示地価が発表され、京阪神の大都市では住宅地・商業地ともにかなり高い上昇率が続きました。大阪市では住宅地が2.5%上昇で2年連続のプラス、商業地が11.7%上昇で3年連続のプラスとなっています。地価鑑定の評価対象となる「標準地」は市内510地点ですが、選定替えがあるので、「平均変動率」と「平均価格」の2つの指標(定義は図1の注参照)を用いて分析します。大阪市の地価推移を長期で見ると、バブル期の地価高騰の異常さを4つの折線すべてが浮彫りにしています【図1】。
東京都区部の商業地の累積変動率のピークが346で、谷底が66(2005年)に収まっていることと対比すると、大阪の地価変動がいかに極端で、それに伴う不良債権問題等の影響が深刻だったかが伺えます。
次に、商業地について24区別の地価変動率の最近の動向を見ると、面白い傾向がわかります【図2】。まず、2006年では都心など7区のみがプラスでしたが、そのうち周辺区の鶴見を除いて07年には10%超の高い上昇率となりましたが、08年の上昇率は07年を下回って山型を描く区が多くなっています。他方、06年まで減少が続いた殆どの区では07年に上昇に転じ、さらに08年の上昇率はそれ以上に高くなる傾向が見られます。
サブプライムローン問題に端を発した最近の経済変調により、地価上昇ペースは緩やかになりそうですが、そのおかげでバブル期の二の舞にならず、市内全域の地価が安定成長軌道を描くことになるのが、不幸中の幸いと言えましょう。
【図1】大阪市の公示地価の累積変動率(1983=100)、平均価格の推移

資料:「大阪の土地2007」、「地価インフォメーション」大阪市計画調整局
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左グラフ
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【図2】商業地に関する24区別の平均変動率の最近の動き

資料:「地価インフォメーション」大阪市計画調整局
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左グラフ
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※平均価格:標準地ごとの1m2当たりの価格(1月1日時点)の平均値。
平均変動率:前年から継続する標準地の価格の対前年変動率の平均値。
累積変動率:基準年をベースに平均変動率を累年的に乗じた値。
参考:「大阪の経済 2008年版」では、宝塚造形芸術大学大学院デザイン経営研究科
教授 建部好治先生より
土地問題を本質から解きほぐした論文を寄稿していただいております。
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