概要
〜 より身近になった画像処理技術とその応用 〜
ここ10年間の画像処理装置の小型化や処理速度の向上は著しく、工業用途のみならず福祉・医療、セキュリティ、安全安心など、より身近な分野にも普及しつつあります。
本セミナーでは、このようなハードウェアの進歩を背景とする画像処理技術の精密加工、外観検査、物体認識などへの応用に興味をもたれている大阪地域の企業を対象に、大阪府立産業技術総合研究所および(地独)大阪市立工業研究所による技術シーズ、応用事例についてご紹介します。
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内容
1.簡素化する画像処理環境と利用事例
大阪府立産業技術総合研究所
情報電子部 電子・光材料系 主任研究員 森脇耕介
パソコンやカメラの低価格化により、画像情報の取り扱いのハードルが技術的にも費用の面でも低くなっている。プログラムコードを自分で記述し、無償の画像処理ライブラリなどを利用すれば、実用の可能性もある画像処理システムが極めて安価に構築できる条件が整ってきた。そのようなプログラムの試作事例の紹介とともに、微細加工による小型で簡素な光学素子を利用した、トータルで簡素な画像処理システムの可能性について紹介する。
2.リアルタイム3次元超音波画像処理
大阪府立産業技術総合研究所
情報電子部 電子・光材料系 研究員 金岡祐介
ロボット搭載を目的とした位置計測システムはリアルタイムであることが求められるが、物体の位置計測等の処理は膨大な計算を必要とするため、リアルタイムに処理することが難しい。これらの処理を高速に行うためには、CPUのような逐次処理よりハードウェアによる並列処理が適している。超音波センサアレイを使った三次元位置計測にFPGAのハードウェア処理を適用し、空気中の三次元位置をリアルタイムに画像化するセンシングシステムを構築したので紹介する。
3.ハードウェアによる画像処理 -FPGAの応用を中心として-
大阪府立産業技術総合研究所
情報電子部長 井上幸二
高速性やリアルタイム性を特に要求される処理には、ハードウェア処理が欠かせない。特に近年FPGAがその使用可能論理数、 内蔵メモリ量、 高速化などの点で飛躍的に発展し、また使いやすくなっており、本来のフレキシビリティと相まって様々な処理システムで使用されるようになってきた。ここではFPGAを用いて画像処理システムを開発する利点や開発システム例を紹介する。
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4.画像処理技術を用いた外観検査の動向
地方独立行政法人大阪市立工業研究所
環境技術研究部 システム制御研究室 研究員 北口勝久
高品質なものづくりには製品の全数検査が必要であるが、目視による外観検査には検査員の体調や疲労による不安定さ、認識基準のばらつき、処理速度の限界、特に定量的な距離、寸法計測の処理時間などの問題があり、これらの解決策として外観検査の自動化が求められている。本講演では自動外観検査装置の導入時に留意すべき目視検査と自動外観検査の相違点を考察し、実際のシステム開発事例について述べる。
5.人の画像センシング技術の動向
地方独立行政法人大阪市立工業研究所
環境技術研究部 システム制御研究室長 齋藤 守
セキュリティや安心・安全、車両事故防止、人とロボットの協調システムなどの分野では、画像センシングによる人物の自動検出がキーテクノロジーとなる。ここではカメラやレーザー距離計等を用いた歩行者の自動検出技術に関する動向について概観する。また最近注目されている魚眼カメラを用いた複数歩行者の自動検出と追跡技術に関し、著者らの研究成果も交えて紹介する。
ご注意
【お客様の情報について】
お申込みいただくお客様の情報は、地方独立行政法人大阪市立工業研究所・大阪府立産業技術総合研究所と共有させていただき、市工研・産技研関連の催事情報をダイレクトメールでお知らせいたしますので、ご了承の上お申込み下さい。
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