DX推進に向けた環境づくり

• DXを始めるポイント
• 社内で推進を阻む事柄
• 推進する組織づくり

DXを始めるポイント

昨今DX（Digital Transformation｜デジタルトランスフォーメーション）の言葉が使われるようになってきていますが、DXへの取り組み状況はいかがでしょうか？
本記事は、これからDXに取り組もうとする企業や、DXを推進するための組織づくりを検討している経営者、経営陣に向けた内容となっております。

ポイントを知って、小さく始めませんか？

DXはあくまでも、企業が永続的に発展しようと考えたときに必要になる考えやツールにすぎません。このことを失念し、社内のDX推進が目的になってしまい、そもそもの目的を見失っている企業が多くみられるのは、目的とその成果（アウトプット）が不明確なためです。
これを防ぐためには、経営理念に沿った内容で、経営陣が将来の方向性を指し示し、従業員にしっかり経営者の言葉で伝える必要があります。
さらに、DXは大企業だけのものでなく中小企業にも必要であると認識し、大きな取り組みでなく、まずはスモールステップで従業員の成功体験を積みながら進めていくことが重要です。

社内で推進を阻む事柄

社内においてDXの推進を阻むのは、どのような文化、人材か想像できますか？
社内でDXの推進を宣言すれば、従業員全員がついてくるとは限りません。従業員の中には、「今のやり方でも十分結果が出ている」と感じる人や、デジタルに縁がなく不得意の人もいれば、兼務してまでこれ以上業務を増やしたくない人など、様々な思いを感じる人も存在します。

このような従業員がいたとしても、企業が変わらなければ成長することもできず、何も変わりません。

従業員が思うこととしては、「DXを推進すると自分はどうなるのか？」の視点です。
業務が楽になって残業が減り早く帰れるようになる事や、効率化されることにより業務成果が出せ、報酬が上がることもあるかもしれません。このようにDXを推進すると従業員はどうなるかを具体的に経営陣やマネージャーが示すことで、前向きに取り組んでくれるようになった事例もあります。

推進する組織づくり

DX推進のための組織づくりで中小企業に最適なのは、プロジェクトチームだと考えます。
プロジェクトチームとは、課題を遂行することを目的に特定期間発足する、臨時の組織となります。

このプロジェクトチームの発足で、まず経営陣が行うことはプロジェクトマネージャーを決めることです。マネージャーの役割は、プロジェクトのメンバーが最大限にパフォーマンスを発揮できるように環境を整え、何としてでも成功に導くことです。そのため、できればリーダーシップを発揮できる人が良いです。

次に、マネージャーとともに現場リーダーを選出します。リーダーの役割は、メンバーを現場で指導や育成をしていきながら目標達成に導く人材です。人材が不足している場合には、マネージャーとリーダーは兼務することも多いです。
そして最後にマネージャーとリーダーでメンバーの選出を行います。この時のメンバーはできる限り、組織横断的に多様な部署から選出し、プロジェクト内で様々な視点を出せる体制を作ります。

実際はマネージャー、リーダー、メンバーをプロジェクト専任にするほどの余裕がないことが多く、兼務をしてもらうことになると思いますので、経営陣としては本人へのケアや、本人の業務負担を減らすために、周りの協力を取り付ける事が必要になります。そこで経営陣は、これからDXを推進していく事を宣言し、評価制度にも連動する仕組みを取り入れることも推進のためには有効です。
プロジェクトの最初の仕事は、経営陣からのミッションを「目的」「アウトプット（成果物）」「期日」に置き換え、報告してもらいます。
プロジェクトが開始されると、経営陣は定期的に報告を受けるとともに、推進度合いに応じて、資源を投入することを検討します。

DXに限ったことではありませんが、経営陣として、このように推進していく環境を整え、従業員がやりがいを感じながら、気持ちよく働けるようにしていきませんか？

経営相談室　DX推進コンサルタント　黒﨑が担当しました。

黒﨑　崇範（くろさき　たかのり）のプロフィールはこちらからご覧いただけます。
→ 黒﨑　崇範（くろさき　たかのり）のプロフィール

（2023年6月7日公開）