グラフ凡例の表示
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季節調整を行なっている指標
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*1 季節調整済の有効求人数、有効求職者数から算出
*2 季節調整値に替えて、夏季電力割増料金を調整した
夏季電力料金調整後の指数を採用
当財団における季節調整の手法
◇季節調整の手法は、アメリカセンサス局が開発した季節調整のプログラム「X-12-ARIMA」により実施している
( 「2015年5月公表データより」以降に適用)。
X-12-ARIMAは、国の各省庁、日本銀行、地方自治体などによって、統計データの季節調整に用いられている。
X-12-ARIMAによる季節調整では、季節要因に加えて、曜日・祝祭日要因、うるう年要因を処理する。
また、法改正や災害などによって生じる異常値をX-12-ARIMAによって検出し、適切な異常値処理を行う。
本報告では、以下の異常値処理を行っている。
◇季節調整には、2003年3月から2015年3月(一部に2月)までのデータを用いているが、以下の指標のデータについては
公表されている期間が短く、データが蓄積された時点で見直す必要がある。
Ⅰ-A-5 タクシー実車率・運送収入(2008年4月~)
Ⅰ-A-8 阪神高速大型車通行台数(大型・全体)(2004年4月~)
Ⅰ-B-2 地下鉄(2005年3月~)
◇以下の指標のデータについては、公表されている期間が短い、あるいは季節性が明確でないなどの理由から、
X-12-ARIMAによる季節調整は適切でないと判断した。
Ⅱ-A-3 景気DI(卸売業)、Ⅱ-A-6 景気DI(サービス業)、Ⅲ-A-1常用雇用指数(製造業)、
Ⅲ-A-2 所定外労働時間指数、Ⅲ-A-3 定期給与指数
◇家計調査については、以下の数値に対して季節調整を行っている。
( 原数値/月当たりの日数 ) の後方3カ月移動平均の値 × 月当たりの日数
(1) 判定方法に標準偏差を用いるための前提の考え方
一般的に、指標のバラツキを数量的に表現する際に標準偏差(σ)を用いることが多いが、その前提として、
その指標が固定的な確率分布に従っているものであることが重要となる。今回の季節調整法の見直し過程では、
消費増税によるレベルシフトや景気回復によるトレンドの変化などが確認されており、これらの構造変化を無視して
σを算出することは適切ではないと判断し、(3)で述べるような考え方で固定的な確率分布に従っているであろう
期間を定めてσを算出することとした。
(2) 塗りつぶしの色の判別方法
各指標について最新月の値と前月の値との差分や変化率が、それらの(不偏)標準偏差(σ)とどのような
大小/位置関係にあるかに応じて、5段階の色を当てはめることとする。具体的に、当該指標に一定のトレンド
が認められず、平均値がゼロの場合を例に説明すると、バラツキが正規分布に従うと想定して、塗りつぶしの
色の5色が同程度の確率で生起するように、以下のようにしきい値を定めることとする。
ただし、指標によっては最近の一定期間に関して、上昇や下降トレンドが認められるものや、世帯増減の
ように増加するのが通常であるものなどがあることから、こうした指標に関しては前月の値にトレンド成分
や平均的変化量Δを加算した値が今月の期待値(見込み値)であると捉え、実績値と期待値の差分に対して、
σとの大小を比較検討することで塗りつぶしの色を判別するものとする。
(3) 標準偏差(σ)算出の対象期間について
各指標に関するσ値を算出する際には、(1)で述べたように、原則的に、固定的な確率分布に従っている
期間を抽出して、その期間を対象として算出することが重要となる。具体的には、消費増税によるレベル
シフトが生じている物価指数などは、明らかにその前後で確率分布が異なってくる。また、アベノミクス
による景気回復トレンドが認められる指標はそれ以前の景気低迷期とは分布が異なるため、この場合も分
布が異なると考えることが適切である。逆に言えば、それらを無視して同一の分布に従っているとすると、
σ値が過度に大きくなり、その結果、指標値の変化を見誤ることになる危険性が高まるわけである。
こうした観点から、本分析では各指標のトレンドやレベルシフトの有無を吟味しつつ適切と考えられる
期間を設定してσ値を算出した。具体的には、上昇/下降トレンドが認められる指標については、トレン
ドの変曲点以降の最新の期間を対象として選定し、その期間での時系列回帰直線を求め、その直線上の値
を各月の期待値と考え、それと実績値との差がバラツキの元データであるとしてσを算出した。また、レ
ベルシフトが生じている指標では、シフト以前のレベルを最新のレベルに合わせるように水準調整を実施
して、調整後の時系列データを勘案してトレンドの有無を検討した。なお、短期間だけ突発的に外れ値が
生じているデータを含む場合では、そのデータのみを異常値としてσ算出には用いないようにした。
このようにして設定した、固定的な確率分布に従っていると考えられる対象期間について、必要に応じ
て、データの調整や外れ値処理を講じてσを算出している。
季節調整を実施した指標の動向を吟味すると、かなりの指標でトレンドが認められた。そこで、それらを
勘案して上述した方法で塗りつぶしの色を判定した。
ここではさらに、回帰トレンド線上に沿った動き(以下、トレンド期待値)と当月の実績値を比較することで、
トレンド期待値よりも上位に位置するかどうかを判別して2通りの矢印を付与する。
例えば、前月の値が大幅に上昇して、前月のトレンド期待値よりも相当に高い値となった場合、前月値を
基点にトレンド成分を考慮した値と当月の実績値を比較して、色が
となったとしても、前月からの変化
ではなく、当月の値自体に着目するとトレンド線を上回っており、評価としては決して低くはないことが十分
に起こり得る。
そこで、当月の実績値とトレンド期待値とを比較し、期待値以上であれば上向きの矢印(増加が景気に
プラスとなる一般的な指標の場合)、期待値未満であれば下向きの矢印を付与した(P3参照)。
なお、トレンドが見られない場合は矢印を付与しない。
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