変わる電気街 ~増加するコンテンツ関連ビジネス~
 
 
 
   今回は大阪市浪速区を訪問してきました。同区は市のほぼ中央に位置し、区の東部には西日本最大の電気街「でんでんタウン」があります。しかし、2001年に大阪駅前(北区)と千日前(中央区)に大型家電量販店が進出したことに伴い、浪速区の機械器具小売業は市内での地位を大きく落としました。1999年~2002年にかけての機械器具小売業(電気機械器具小売業を含む)の推移を見ると、浪速区では事業所数は8.3%しか減少していませんが(大阪市全体では8.5%減少)、従業者数では17.3%、年間販売額では36.2%、売り場面積では13.7%減少し、特に年間販売額の対大阪市シェアは大きく低下しました(表1:51.5%→32.4%)。このことから大型店の廃業や業態転換が一気に進んだことがうかがえます。
 
  【表1】浪速区・中央区における機械器具小売業の推移
 上段:実数
 下段:対大阪市シェア(%)
浪速区
中央区
大阪
1999 2002 99-2002 1999 2002 1999 2002
 事業所数
217
11.4
199
11.4
-8.3%
0Point
151
7.9
128
7.3
1903
100.0
1742
100.0
 従業者数(人) 2371
22.1
1961
17.4
-17.3%
-4.7Point
1142
10.7
1847
16.4
10711
100.0
11241
100.0
 年間販売額(億円) 1,846
51.5
1,178
32.4
-36.2%
-19.1Point
324
9.0
690
19.0
3,586
100.0
3,638
100.0
 売場面積(m2) 55903
37.6
48240
29.1
-13.7%
-8.5Point
9308
6.3
23757
14.3
148865
100.0
165851
100.0
資料:経済産業省「商業統計表(産業編 市区町村表)」より作成
 
 

 一方、大型店が進出した中央区では、従業者数、年間販売額、売り場面積がいずれも大幅に増加し、対大阪市シェアも増大しています(表1)。2006年には難波駅南側(浪速区)にも大型家電量販店の進出が予定されており、市内での家電小売業の競争はますます激化することが予想されます。こうした中で、でんでんタウンがどのように変化したのかを調査した結果、日本橋3丁目~5丁目の堺筋に面した1階店舗186店のうち78店(41.9%)が別の店舗などに入れ替わっていました(表2)。

 
  【表2】日本橋3~5丁目における土地・店舗利用変化
 土地・店舗利用の内容 2001年6月 2005年11月 変化
 小売店 64(6) 40(25) -24(+19)
  電気機械器具(家電製品、PC、電気部品 など) 54(1) 9(4) -45(+3)
  ソフトウエア(PCソフト、音楽CD、DVD など) 6(2) 18(16) +12(+14)
  キャラクターグッズ・同人誌 0 8(4) +8(+4)
  そのほかの小売店 4(3) 5(1) +1(-2)
 飲食店 6 6 0
 駐車場・空店舗・空き地 1 26 +25
 そのほか(サービス業 など) 7 6 -1
 変化した土地・店舗の総計 78 78 0
資料:「ゼンリン住宅地図 大阪市中央区(2001年6月発行)」と現地調査(2005年11月)をもとに筆者作成
注1:対象区間は日本橋3~5丁目(阪神高速以北)の堺筋に面した区間(約830m)の1階店舗
注2:括弧内の数値は中古商品の取り扱い店舗数
 

 

 主な変化としては、家電製品などを取り扱う電気機械器具小売店が減少し(-45店)、空店舗などが増加していました(+25店)。店舗として存続しているもの(閉鎖店舗の跡地への新規立地)で目立ったのは、PCソフトやデジタル家電で楽しむ音楽CD、DVDソフトなどを扱うソフトウェア小売店(18店[+12店])、アニメ・漫画キャラクターのフィギュア、同人誌などを扱うキャラクターグッズなど小売店(8店[+8店])でした。また、最近のリサイクルブームもあって、中古商品の取り扱い店舗の増加(+19店)が目立ちます。
このほかにも、ロボット専門店(ロボットファクトリー)や、幅60cm×高さ30cm×奥行き40cm程度の透明なケースに玩具など自分の好きなものを入れて販売することができるレンタルショーケースなど、従来見られなかった新しい業態の店舗が進出しています。

 
   また、堺筋に面したビルの2階以上のスペースや裏通りに目を向けると、ここでも同様の店舗の進出が見られました。それに加えて、メイド姿のスタッフがいるカフェや、クイックマッサージ店の新規立地が10店舗以上見られました。
大阪市のような大都市にはさまざまな趣味を持つ人々が集まるため、大都市でのみ成立するビジネスが数多く存在します。でんでんタウンの新しい店舗もそうしたビジネスの一つかもしれません。これらの中から成長したものは全国各地に伝播し、将来的には大きなビジネスとなりうる新しいビジネスの種なのかもしれません。
 
 

 大阪産業創造館までの時間距離

約30分
  浪速区役所からの所要時間
   ※実際に計測。地下鉄利用。電車の待ち時間を含む
 
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