商業者が最も多く集まる町丁目 大阪市中央卸売市場・本場
 
 
 

 今回は大阪市福島区を訪問してきました。同区の野田1丁目は、商業(卸売・小売業)の従業者数が8091人(2002年)であり、大阪市で最も商業の従業者数の多い町丁目です(図表1)。当地には大阪市中央卸売市場本場が立地しており、主に青果や水産物を取り扱っています。青果物では東京都中央卸売市場大田市場に次いで、全国第2位の卸売数量・卸売価額を誇ります(平成15年青果物卸売市場調査より)。市場を経由した食料品は大阪府下を中心に広く搬出されていますので、みなさんも日頃の買い物や飲食店を通じてこれらの食料品を口にしていることでしょう。

 さて、卸売市場で食料品を調達するのは一般の消費者ではなく、スーパーなどの小売業者や飲食店などです。市場で働く人だけでなく、やって来る人もまた商業者なので、野田1丁目は市内で商業者が最も多く集まる町丁目と言えるでしょう。ちなみに、ある1日(24時間)の市場への入場者数を調査した結果を見ると、歩行者が約2700人、二輪車が約4100台、自動車が約12600台でした(図表2)。車輌1台に少なくとも運転者1人は乗っているので、毎日約2万人が市場を訪れていると考えられます。図表2を見ると、これらの人々は同じ時刻に集まっている訳ではなく、大型貨物車が夜間に食料品を搬入し、調達する人々は翌日の早朝に買い出しに来ていることがわかります。

 近年、全国における卸売市場経由率は低下傾向にあり、青果物や水産物では60~70%程度です(図表3)。大阪市中央卸売市場本場でも取扱い量は減少傾向にあり、10年前と比較すると18%減少しています(1993年 895千トン→2003年 733千トン)。これは小売業者による産地との直接取引や直接輸入の増加などが要因として考えられます。


  また、昨年6月、卸売市場法の一部が改正され、規制が緩和されることになりました。例えば、これまでは「卸売市場への集荷、市場内での販売・分荷」が基本でしたが、改正後、条件付きではありますが、市場内に現物を搬入せずに電子商取引により卸売を行うことや、ほかの卸売市場と共同で集荷することが可能となりました。今後、流通コストの削減や流通ネットワークの再編が進展すると期待されます。
 ただし、そのためには、現物の食料品を見たうえで値決めする現行の仕組みと同程度の情報システムを構築する必要があり、さらに荷受けの卸業者と分荷の仲卸業者の双方が、そのシステムを利用する商習慣が定着することが必要となります。このことから、改正後すぐにこれまでの取り引きの多くが電子商取引化され、現物が市場へ搬入されなくなるとは考えにくいので、当面、「商業者が最も多く集まる町丁目」であることには変わりないでしょう。

 大阪産業創造館までの時間距離

約30分
  福島区役所からの所要時間
   ※実際に計測。地下鉄利用。電車の待ち時間を含む
 
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