後継者候補の悩み相談であった。現社長は相談者の母親の兄弟で独身かつ子どもはいない。創業者の父親から事業を譲り受けたのが兄弟で唯一事業に関わっていた現社長である。
そろそろ承継の時期になり、甥の相談者を後継含みで入社させていたが、明確な後継者指名をしていないことから、相談者が不安に思っている。
社長はもう一人の姉妹と同居しており、その人には子どもが二人いることも、不安材料である。どのようにふるまったらよいのか、という相談であった。
後継者に指名されるか否かは残念ながら相談者には決定権がなく、社長の考え次第である。であるなら、事業の伸長に取り組んでいき、社長が後継者として認めざるを得ない状況を作るべきである。
そこで、大阪産業創造館で行っている「ビジネスチャンス倍増プロジェクト(技術マッチング)」を利用して、取引先の拡大を目指したらどうか。また、セミナーなどにも積極的に参加して、経営について学んでほしい。
相続に関していても、現状では相談者の立場はかなり不安定である。が、後継者として社長に認知されたら、遺言といった手段でもって、株式を始め事業用資産の相続が事業継続の妨げにならないような対策をとることが可能となるので、今後の推移を見ながら対策を講じていくことにする。
早速「ビジネスチャンス倍増プロジェクト」を利用し、同プロジェクトのナビゲーターのサポートの下、新しい取引先開拓に取り組み、実績も数件生まれた。この取り組みで自社の強みを第三者的に見ることができ、今後の方向性も違った角度での取り組む可能性も探ることができた。
大阪産業創造館が行う経営者向けのセミナーにも積極的に参加し、経営者としての資質向上にも努力するようになった。
こうした結果、担当したナビゲーターから相談者を後継者にする旨の発言があったとのことを聞き、とりあえずの課題はクリアできた。
引き続き、事業用資産の相続に関して、対策を講じていくこととしている。
この相談内容を考えるにあたって参考となる事例をご紹介しています。
事業承継に必要な準備へのアドバイス、また行動のためのサポートを行っていきます。経営者・後継者どちらのお立場の方でも、お気軽にご相談下さい。