2005年5月30日
大阪産業創造館・ロボットラボラトリー
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        「ドリームチーム・Team OSAKA」
     自律型2足歩行サッカー競技ロボットを初披露
    ~「ロボカップ2005大阪 世界大会」で連覇を狙う~
        http://www.sansokan.jp/robot/
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大阪市および大阪市の次世代ロボット産業振興拠点「ロボットラボラトリー」
(大阪市北区、運営:大阪産業創造館)が支援する産学連携の共同開発グループ
「ドリームチーム・Team OSAKA」は、ロボットによるサッカー競技大会「ロボ
カップ2005大阪 世界大会」で連覇を目指す自律型2足歩行ロボット「VisiON 
NEXTA」(ヴィジオン ネクスタ)を完成させました。つきましては6月8日(水)
に開催される第2回ロボカップ大阪大会開催委員会(会長:大阪市長)において
報道関係者の皆様に向けて開発メンバーによるデモンストレーションと機能を
初披露し、決意表明を行います。

「VisiON NEXTA」は昨年の世界大会での優勝経験をもとに、旧型(VisiON)の
8倍の処理速度を実現することで、高速歩行やボールを認識して距離を測りなが
らシュートするといった素早い自律動作が可能になりました。またサッカーに
限らず表現能力の向上を目指して、親しみやすいデザインや発話機能を新たに
加えています。

大阪市では、次代の中核産業として期待されるロボット関連分野の育成を通じ
て、大阪の経済活性化を図るための様々な施策を展開しており、その一環とし
て「ドリームチーム・Team OSAKA」に研究開発費1000万円を助成しました。
「VisiON NEXTA」は開発期間8ヶ月を経て今年3月末に完成し、大会連覇に向け
た各機能の最終調整を受け、このたびの披露となりました。


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■完成披露会の開催概要
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日時:2005年6月8日(水) 14:30~15:30
会場: 大阪市役所5階特別会議室
内容:14:30~14:45  第2回ロボカップ大阪大会開催委員会
   14:45~15:30  VisiON NEXTA初披露・市長との写真撮影・ヴイス
   トン(株)大和氏による決意表明・機能説明およびデモンストレーション
※14:20までに、5F特別会議室前の「取材受付」にお越しください。
お越し頂ける場合には、事前にご連絡をいただけますと幸いです。

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■「VisiON NEXTA(ヴィジオン ネクスタ)」概要
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【タイプ】完全自律2足歩行型
【高さ・重量】47.5cm・約3.1 kg(旧型VisiON:38cm・約2.4 kg)
【動作】ボールやキーパーを認識しサッカー競技を行う。
バランスをとるためのジャイロセンサを搭載し、
不整地の走破性が向上。さらに無線LAN機能や発話機能を備える。

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■採用されている主な先進技術
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【知覚技術(ヴイストン、大阪大学石黒研究室による)】
  360度の全周囲を瞬時に見渡すことができる全方位センサを搭載。
高解像度のカメラを使用し、より遠くまでの物体を認識可能。

【歩行・動作制御技術(ヴイストンによる)】
  動作制御を行うCPUと、画像処理や無線LAN通信を行うCPUをそれぞれ搭載。
  歩行動作は逆運動学を解くことで、前後左右回転歩行を自由に行う事が出
  来る。
  その他の動作はモーション編集ソフトウェア"Robovie-Maker"(ATR開発)を
  使用。

【デザイン・構造設計(ロボガレージ、ヴイストンによる)】
  カーボンと樹脂の接着による「モノコック構造」を採用し、軽量・高剛性で
  フルカバード化され剛健なデザインのロボットを実現。


なお、今後「ドリームチーム・Team OSAKA」は、ロボット開発過程で派生した
技術を製品化し、新たな産業やサービスを提案します。
大阪市とロボットラボラトリーは、ロボットテクノロジー(RT)による新産業の
創造プロジェクトを行っており、今後も引き続き、同産業分野への参入を目指す
企業を支援してまいります。

【本件に関するお問合せ】
大阪産業創造館 ロボットラボラトリー 06-6347-7877
        杉本    sugimoto@sansokan.jp
        高木(広報)takagi@sansokan.jp


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■「VisiON NEXTA」命名の由来と誕生の経緯
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NEXT AGENT=次世代の担い手 
急速な発展を続けるロボット。近い将来、人々の生活の中で活躍するロボットの
出現はもはや時間の問題となった今、未来への扉を開く先鋒として、"VisiON 
NEXTA"は誕生しました。ヴィジオンの後継機であるヴィジオン ネクスタは、自
律型2足歩行ロボットとしてさらに進化するため、逆運動学による動作生成・
ジャイロセンサによる運動制御を採用、ヴィジオン以上の優れた運動性能を実現
しました。また、ロボット同士やヒトとロボットなどの「つながり」をコンセプ
トに発話機能や無線LAN機能を持たせ、連携や豊かな関係性の創出を可能にしま
した。ヴィジオン ネクスタは、大阪、さらには日本の期待を背負い、ロボカッ
プ世界大会の2連覇に挑みます。


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■ドリームチーム・Team OSAKA
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「RT都市・大阪」をアピールしようと企業、研究者が結成したロボット
の研究開発コンソーシアム。高い技術力と新規性、オリジナリティに優れて
いるとして選出された、大阪大学(石黒研究室)、ヴイストン、システク
アカザワ、ロボ・ガレージ、国際電気通信基礎技術総合研究所により構成された
チーム。昨年開発されたVisiON(ヴィジオン)は、「ロボカップジャパンオープン
2004大阪」、「ロボカップ世界大会(リスボン)」で総合優勝を果たしている。 


【大阪大学 石黒研究室】  http://www.ed.ams.eng.osaka-u.ac.jp/
 ロボット技術、センサ技術を中心に、人間と関わり、日常的社会の中で
活動できるロボットの実現に向けた研究を行う。また石黒浩教授は、
ATR知能ロボティクス研究所の客員室長として「ロボビー」の開発・研究を
しており、大学と研究機関の両方を代表する研究者。

【ヴイストン株式会社】 http://www.vstone.co.jp/
「全方位センサ」をはじめとする、石黒教授の研究成果の実用化を目指して
設立された産学連携ベンチャー。電子機器・電子装置・光学装置・ソフト
ウェアの研究開発・製造・販売をしている。様々なセンサを融合させる認識
技術センサネットワークシステムを開発。「VisiON」をはじめとするロボットの
製作・販売も手掛ける。Team OSAKAのまとめ役。

【ロボ・ガレージ】  http://www.robo-garage.com/
ロボットクリエーター高橋智隆氏が創業した、京都大学初めての学内入居ベンチャ
ー。人とのコミュニケーションにはロボットの持つ外観や仕草が重要な意味を持つ
とし、それを実現する技術開発・デザイン・製作を行う。代表作に「neon(ネオン)」
「鉄人28号」など。昨年、自ら製作した「クロイノ (chroino)」は米TIME誌の
「Coolest Inventions 2004」 に選ばれている。

【株式会社システクアカザワ】  http://www.akazawa.co.jp/
製造業一筋60年。航空機などの精密部品加工技術を持ち「工業用全方位
内視鏡」を開発。その他、自動化機器の設計、各種機械器具の製造・販売。
「Team OSAKA」へは開発費の一部を出資する。

【株式会社 国際電気通信基礎技術研究所(ATR)】
http://www.atr.jp/index_j.html
情報通信分野の基礎から応用まで広く研究開発を行い、コミュニ
ケーションロボット研究分野においては世界的な研究を推進中。
ドリームチームには、同社開発のモーションエディタやセンシング技術を
提供する他、ロボットの商品化にむけて技術的にバックアップしている。