圧倒的な高性能と低価格の産業フィルターで急成長
大ヒットした『シリウス』。半導体製造工場など幅広い分野で活躍。大手家電メーカーにも納入。
産業用カートリッジフィルターは、工場で液体、気体などから不純物を除去するために使われる。
携帯電話、薄型TVなどのハイテク製品、また医薬品や飲料の製造にも欠かせない。
「もしフィルターがなければ、多くの工場で生産活動がストップするほどの必需品なんです」。
日本の市場では、米国企業3社が6~7割を占め、圧倒的な強さを誇る。
角田氏自身、ある外資系メーカーに25年勤務した経歴を持ち、本部の経営統合を機に、2003年4月にワイエスフィルタージャパンを設立。
「研究開発や生産設備には、莫大な投資が必要。そのため国内メーカーは、品種を限定して商品展開しています。当社のように多種多様な製品を展開する総合メーカーは、あまり例がありません」。
基幹商品は「シリウス」。濾過性能の高さと低価格で月産5万本を販売。
「フィルターというと柔らかいイメージ。でも当社の製品はセラミックのように固い。流体を通しにくく、電気代をロスしそうですが、ポンプの圧力損失は3分の1。独自構造で不純物の捕捉量も競合製品を上回ります」。
製造は8カ国11社もの提携工場に、販売も全国100社の代理店に委託。自らは研究開発とマーケティングに専念。経営を身軽に保つこのビジネスモデルが、多彩な商品ラインナップを可能にした。
「競争力を支えているのは、製品だけではありません。代理店がお客様を訪問する際に、技術者でもある営業社員が同行。開発ニーズがあればすぐに仕様を検討し、3~7日の短納期でサンプルを届けられるのが強みです」。
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