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アタック!オンリーワン

合資会社 矢野クローム工業所


スペーサー

代表社員
小佐々 明夫氏

スペーサー 合資会社 矢野クローム工業所 常務取締役 小佐々 明夫氏

「硬質クロムと無電解ニッケルのメッキが当社の代表的な技術。メッキ業の可能性を広げる研究にも力を入れています」。


10ミクロンの金属細線を透明樹脂基板にメッキする新技術

10ミクロンという単位で、パターン化した微細メッキを施したポリカーボネート。
10ミクロンという単位で、パターン化した微細メッキを施したポリカーボネート。

  電解クロム、ニッケル、無電解ニッケル、装飾クロムなどのメッキを中心に事業を展開する矢野クローム工業所。メッキの前工程であるバフ研磨、レル研磨を自社で行うことにより、良質のメッキに仕上げ、その手腕で多くの固定客をつかんできた。同社の主軸は、工業用クロムメッキとも呼ばれる硬質クロムメッキ。メッキが難しいタングステン素材にも対応できる。また、ステンレスや金・白金で作られた化繊ノズルの穴に対する、耐摩耗性を上げるための硬質クロムメッキも、高い技術力があるからこそ実現。「わずか50ミクロンの、ただの丸や四角ではないさまざまな形状の穴に施す精密なメッキは、当社の技術力を表しています」と小佐々氏。
 この技術を活かし、大阪府の新連携事業補助金3000万円を得て7年前にスタートした事業がある。「機能集積型マイクロチップデバイス」の開発だ。「この時に当社が開発した技術が、ポリカーボネート樹脂に対する無電解メッキです。樹脂の透明性を損なわず、密着性に優れた方法で無電解ニッケルをメッキしたり、幅10ミクロンという微細なパターンを作ることに成功しています」。微細パターンの形状は任意に描くことができ、自由度も高い。これらは、分析・検出用デバイスはもちろん、ディスプレイ用の電極、電磁波のシールド材、微細デザインパネル、照明光の反射・拡散板などにも、応用できる技術でもある。
 ほかにもメッキ技術でつくる内径100ミクロンの微細パイプや50ミクロンの微細メッシュなど、メッキの技術を活かして、新しいものづくりの可能性を追求している。

(2012.2掲載)



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