接着のエコロジー化をめざし無溶剤・脱溶剤を実現
無溶剤タイプの複合繊維用ラミネーターは、大幅なライン短縮と環境・安全の向上につながっている。 外国製工業用ミシンの販売からスタートした松下工業は、国産工業用ミシンメーカーとして古い歴史を持つ。昭和30年代からベッドマットレス関連機械の製造も手がけ、国際特許を取得した自動ポケットコイル製造機は海外の展示会でも好評。この分野でも、まさに国内唯一のメーカーとして確固たる地位を築き上げた。さらに、接着分野にも乗り出したが、松下氏はどの事業分野もつながりがあると言う。「お客様の要望をかなえたいという思いから、事業分野が広がりました。接着分野は、靴メーカーの機械の取り扱いがきっかけ。靴の製造過程には縫うことに加え接着する工程もあり、そこから接着プロセスとシステムのノウハウを蓄積しました」。
接着システムにおいて、同社が提案するのは「無溶剤」「脱溶剤」だ。2液型接着のプロセスでは、ミキシングヘッド(2液混合部とノズル部)を洗浄する必要がある。従来は溶剤を使って洗浄していたが、同社の開発した「水洗浄タイプ2液混合吐出機」は、『水で洗うので洗浄液のコストダウン』、『洗浄液の廃液処理費削減』、『作業環境が大幅改善、局所排気装置が不要』といったメリットがあり、エコロジーの面でも有効だ。今後は、さらに幅広い業界に接着のノウハウを提供したいと言う。「ソーラーパネルなどの最先端産業にも貢献しています。接着の悩みを解決するポータルサイト“ザ・接着(http://www.the-bond.com/)”を立ち上げ、ビジネスチャンスを広げています」。熱転写ラベルなどの産業資材にも取り組み、さらに事業を拡大させている。
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