建材や自動車の耐久性・安全性のテスト環境を実現する
風洞システム。断面全体から一定の風力で風を送れるため、場所によって風速が変わることはない。
本田工業は、建材・環境の試験装置や風洞システム、自動車とその関連部材の性能試験装置など、数々のテスト環境を提供している。試験やテストを実施するのではなく、試験装置そのものを作っているのが特徴だ。代表的なものが風洞装置で、これは台風の時にカーテンウォール、サッシ等が受ける風害やビルの谷間での風の流れ方などを調べるためのシステムである。さらに耐震強度や水密性、防・耐火、耐熱、遮音など、住環境に関わるさまざまな試験装置も開発している。
自動車関連の試験装置では、「自動車用環境風洞」が挙げられる。これは「走行時に発生する気流や気圧を再現して、燃費効率や加速性能、排気ガスなどを確認するものです。また、自動車の空力性能を計測する実車風洞におけるトラバース装置(車の周辺風速を計測)は、当社独自の技術となっています」と本田氏。安全走行支援システムの開発に必要な「車輌走行模擬試験装置」など、幅広いニーズに対応している。
また、屋外型ガス機器や燃料電池、ソーラーパネルの環境試験装置なども開発。「特にソーラーパネルは、台風時の風加重に耐えられるか、強風によってボルトがゆるんだり配線が切れたりしないかなど、調べるポイントが多岐にわたります。現在、ソーラーパネルに関する試験そのものは多くないですが、今後、必然性が増すと確信しています」と同氏。必要な試験やテストを相談されれば、それに最適な方法とシステムを提案・構築することができるが、同社の強みだと言える。
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