燃料電池の未来を担う 高速攪拌機のパイオニア企業
ナノ粒子までの微粒化を実現する、薄膜旋回型高速ミクサー「フィルミックス」。
国産初の高速攪拌機「ホモミクサー」を世に送り出して以来、高速攪拌機のパイオニアとして、プライミクス株式会社は産業界に大きく貢献している。取引先は医薬品から化学、化粧品、食品、エレクトロニクス、エネルギーなど幅広い。「たとえば、自動車の塗料は、いろんな色や成分を混ぜて作ります。どんな加工品にも“混ぜる”技術は必要なんです」と古市氏。高度な攪拌技術は、EV(電気自動車)などに使われる燃料電池や携帯電話などのリチウム電池電極材、半導体の封止剤、ディスプレイ材料、先進医療の医薬品など、先進的な分野にも不可欠な技術。「用途は違っても、当社の技術には、研究者が唱えていた攪拌技術の限界を超える領域の“ナノ単位の微粒化、均質化”が求められているのです」。
その高い技術力の結集が、薄膜旋回型高速ミクサー「フィルミックス」だ。従来の羽根のせん断力で混ぜる方式ではなく、高速旋回するホイールの遠心力で材料を容器内壁とホイールの間に集め、回転による速度差から生まれる応力によって、微粒化、均質化を可能にしている。この仕組みは、これまでの高速攪拌機では実現できない、ナノメータの微粒化を可能にした。「フィルミックスを組み込んだ連続プロセスが可能な電極材料の製造装置は、すでに国内外の電池製造各社に研究機として納入されています。今後、これらが生産システムに採用され、世界の電池生産を担う時代が来ると確信しています」と、同氏は語る。
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