電力計測や生コン計装の草分け 多品種の粉体自動計量を可能に
副原料となる添加剤専用の自動計量装置。生コンクリート計量での技術から派生し、あらゆる粉体の高精度計量を可能にした。
大正5年創業という、90年以上の歴史を持つタケモトデンキは計量・計測機器のプロフェッショナル集団だ。戦後は電熱器を製造していたが、電気指示計器製造を再開する。昭和27年からは、現在の主軸事業である生コンクリートの計量制御システムを手がける。近年は、マイクロ波を利用し、原材料の砂に付着する水分量を測る「水分計」も開発し、建設業界で知れ渡っている。
事業の根幹である電力計測は、省エネの流れで消費電力の“見える化”が課題。そこで同社が提案するのが、電力線通信システム。30年前から取り組むこの事業は、屋内の電気配線を使う通信方式。「中継器3台を使えば最大600mまで送信可能。コンセントがあれば使えるので配線工事の必要がなく、電気使用量をチェックできるデマンド監視でコスト削減に活用できます」と三宅氏。工場やビル、外食店などで利用されている。
さらに力を入れているのが、粉体計量という分野。主原料の計量を自動化している企業は多いが、副原料の計量が問題となっている。人の手で行う企業が多い中、同社では「粉体自動計量装置」を開発した。「1~10種類まで対応でき、それぞれ数グラム~2トンまでの計量が可能です。もちろん、異物混入も防止。食品・医薬・化学品など幅広い業界で利用され、海外からのオファーも増えています」。流動性の高いものや浮遊しやすいものなど粉によって性質が異なるため、それに合わせた計量システムの設計が必要。「機械、電気制御、生産管理システムすべてトータルで提案できます。粉体計量での長年のノウハウがありますから」。
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