水処理薬剤における国内トップメーカー 環境関連事業でも独自技術が光る
定期的に依頼される、工場の廃水分析調査。値が基準値以内かどうかを調べ、改善対策を提案する。 製鉄、石油化学関連、製紙業などの工場で使われるボイラーや冷却水用の水処理薬剤。熱交換器への海洋生物の付着を殺さず忌避させることにより防止する海水冷却水系付着生物防止剤。片山化学工業研究所は、そのような水処理薬剤の分野において、国内トップクラスのシェアを誇る。創業当初は水処理薬品のアフターサービスとして、廃水の分析作業をしていた。顧客の関心や社会のニーズが、環境や人の安全へ向かい始めたのを機に、「分析だけでなく、廃水に対する課題のソリューションを提供しようと考え、対環境問題の商品に力を入れるようになったのです」と片山氏は話す。
その代表的な商品が、全漁連と共同開発し、過酸化水素系薬剤を用いた養殖魚の寄生虫駆除剤｢マリンサワー｣。トレーサビリティーへの関心が高まって以降、それまでのホルマリンにかわって需要が伸び、トップシェアを誇っている。同じく過酸化水素系薬剤を用いた技術として、船舶のバラスト水による生態系破壊を防ぐためのプランクトン等を処理する「バラスト水処理システム」がある。製鉄、石油化学工場や発電所などで使う冷却用海水系水処理剤｢シェルノン｣とともに、同社のオンリーワン商品だ。ほかに土壌改良剤｢ホットソイル｣やノンケミカル住宅用防湿防蟻シート｢ミラクルシート｣、食品改質剤「グルパール」や「ほぐれパール」など、ユニークな商品を多数開発。共通するのは、安全性と環境への配慮。｢環境問題への課題はますます増えるでしょう。その問題を解決できる製品や技術を開発し続けます。」
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