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健康商品の有効性と安全性を伝えるときのポイント

第11回:消費者視点から見た「健康商品の選び方」


パッケージの表示と広告文章だけが情報源

筆者は食品表示(原材料、栄養など)の作成を主に仕事としていますが、 何度か一般の方から「品質表示のプロの立場として、商品の選び方を教えて欲しい」 と言われたことがあります。

確かに商品の表示内容や広告から、良し悪しの推測を立てることはできます。 今回は、日ごろ品質表示を仕事とする立場として、「このように見極めることもできる」 という内容をまとめようと思います。


筆者は、もともと重いアレルギー体質で喘息を引き起こすこともあり、 また好き嫌いも多い(これはよくないですが・・・)ことから、 食品の表示をもっと周知してほしいと考え、この仕事を始めた経緯があります。

本稿では健康商品として化粧品や健康器具まで含めた話になっていますが、 消費者にとって情報源となるのは、 パッケージ表示とチラシやホームページなどの広告文章だけという点では同じです。

販売員のいる対面販売であっても同様です。
「書いてあること言っていることが本当か」という根拠までは、 検査機関にでも提出しない限り消費者は読み取ることは難しいのが現状です。

「情報」は、健康商品にとって特別な意味をもつ

こと健康のことに関すれば、消費者の置かれている状況は様々です。 悩んでいる病気、飲んでいる薬も異なれば、食生活や生活習慣も異なります。 ですから、他の商品以上に情報の信憑性を追求する傾向にあります。

それは今の生活を豊かにするものではなく、 将来を安心して過ごすための投資だからこそ、情報を真剣に求めるものです。 (子供向け商品についても同様の傾向があります)

その商品は本当に健康によい効果が期待できるのか。 さらに本当に安全で、将来への悪影響の心配はないのか。

このように健康商品には必要とされる情報の「質」に違いがあり、 その特性を考慮した上で情報を提供する必要があります。

消費者からすれば、他の商品と同じように刺激的なコピーにも惹かれるのですが、 「言っていること書いてあることは」「自分にとって本当なのか」こそが、 購入時の判断としてより重要な意味をもつといえるでしょう。

「書いてある内容が適切か」を読みとる

では品質表示を仕事とする視点から、どのように商品を見分けるのか説明します。

1)会社名を見る

当然ですが、信頼できる品質を維持している会社かどうかを確認します。 ここでは、その会社名を知らなかったという前提で、この判断材料を探します。

2)健康機能のキャッチコピーを見る

パッケージに薬事法上表現できない言葉(○○に効く等)があれば、その商品はパスします。 一過性の売上を期待しているなど、将来にわたって健康事業を継続する責任感が強くないと考えます。

例えば食品であれば細菌検査などによる賞味期限設定の検証が十分されているのかなど、 長期的な視点での商品の安全性設計に疑問が残ります。 過度の効能効果を表現している商品は、この時点で信用が低くなってしまいます。

3)健康機能の根拠を確認する

健康によい根拠としては、特定の素材・成分を「多く」「使用」しているか、 「少なく」もしくは「不使用」にした商品が一般的です。

その他のタイプとしては製造・加工技術の特殊性、 商品形状や使用方法の特殊性が根拠になっているものもあります。

食品に限れば、「多い、少ない、使用、不使用」には栄養表示基準という ルールがあるので、これに沿っているかどうかを確認することができます。
低カロリーや○○使用の基準が守られていない場合は、表現と実際の内容が異なることになります。

また「ポリフェノール含有」など健康機能を期待する根拠となる 成分についての表現があれば、その含有量を確認し、記載がなければパスします。

製造・加工技術や商品の形状・使用方法により健康効果が期待できるものなど、 自分のもつ知識の範囲を超えるものについては、いったん自宅でインターネット等を使って調べてみましょう。 その根拠がどれだけ確立されているか、その記事を探します。

その根拠が十分であるかを確認する点は、「評価試験結果」「論文」が一般に 存在しているかという点です。 また、「対照商品を置いた試験」「二重盲検」といった客観性の確保について 確認しますが、これらは中小規模でも簡単に検証できる程度のものです。

4)品質のグレードをあらわすキャッチコピーを見る

最高級の素材を使用、天然の○○を使用、という表現は誤解を招きやすいので、 食品の多くの種類では禁止されています。

それでも○○産の原料を使用、など品質を訴求する商品は多いのですが、 その場合は、「主張する品質が、商品の主な構成要素に近いかどうか」を見ます。

商品の主な構成要素とは、例えばラーメンであれば麺やスープ、具材のことです。 北海道産ゴマがちょっとだけ入ったラーメンに、大きく「北海道産!」と 記載してあれば、多くの消費者は「麺やスープが北海道産なのだろうか?」と 勘違いしやすいと思います。

こういった誤解を招きやすい表現への配慮があるかどうかも、 その企業の商品品質への責任感を知る上で大切なポイントです。

5)リスクへの対処の度合いを見る

最後に、特に子供向け、妊産婦向けなど使用を推奨できないとされる層への配慮を確認します。
食品の例が多くなりますが、子供や妊産婦への摂取を控えるよう指導されている栄養成分もあります。

パッケージや広告に、これらの人たちへの使用を控える注意書きがあるかどうかも、 商品の安全性が確保されているかどうかをみるうえで大切なポイントです。

また、新商品開発の末に斬新な形状やデザインで発売される商品もよく見かけますが、 これまでの常識から、誤った使用方法を連想させることのないよう配慮しているかも重要です。

例えば醤油を清涼飲料水のようなPETボトルに入れて、オシャレなデザインにして発売するようなものです。
朝起きてぼんやりした視界のまま、冷蔵庫の醤油を一気に飲んでしまう恐れもあるでしょう。 こういった不慮の事故を誘発しない配慮があるかどうかも、商品を選ぶ上で確認するポイントです。

以上が、パッケージ表示や広告から商品を見分けるときに実施するポイントです。 消費者はこのような視点で商品を見ていますので、みなさんの会社のパッケージ表示や広告を 見直すときの参考にしてみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール
川合裕之 氏

川合裕之(かわいひろゆき)氏

株式会社ラベルバンク 代表取締役

即席ラーメン会社のサラリーマン、ラーメン屋のアルバイト、メロンパンの移動販売 開業と閉鎖を経て、食品の空き容器を収集しながら「食品表示・広告表現の課題解決 企業株式会社ラベルバンク」を設立(2003年)。
インターネットショッピングサイト上に食品品質表示が掲載されていない点にチャン スを感じ、「食品の品質表示は見せた方が得と考えている食品メーカーに、複雑な食 品表示のアドバイスや、品質情報の効果的な見せ方を提供する」コンサルティングを 展開するが、科学的根拠よりも大切なポイントがあることに気付く。
健康食品の品質表示・薬事法規制をテーマに官公庁・展示会等全国で講演多数、食品 専門誌(月刊食品包装等)で執筆。

編集人:北口 編集責任者:武坂

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