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健康商品の有効性と安全性を伝えるときのポイント

第9回:2009年のまとめと「こだわり型」商品


業界意識の変化

2009年は、一経営者としても本当に激動の1年だったという実感があります。今回は、年末のまとめということで現段階の業界の考え方と、今後の展望についてまとめてみたいと思います。ただし、企業規模により視点に違いがあるため(例:食品分野では特定保健用食品など高額な開発費用のかかる製品開発への取り組み状況の違いなど)、ここでは数名~300名までの中小企業にとって取り組みやすい内容を想定しています。

【2009年の業界意識の変化概要】

1) 消費者に対する情報提供の中心は、有効性から安全性へ

2) 安全設計についての合理的な根拠、有効性の科学的実証などを重視する姿勢へ

3)有効性と安全性について、業界自主基準設定と健全化を目指す風潮へ

企業規模(成長段階)による準備状況の違い

社員数名規模の企業(成長段階の初期)の場合は、1)はまだ有効性を重視していますが、今後の販促方針では安全性の情報提供を予定していることが多くあります。実際には2)での根拠資料を準備ができ次第、徐々に安全性情報を増やすという考えかと思います。

これまでは、2)の有効性の科学的実証は製品や広告に表示できないため、投資に対して二の足を踏んでいるケースを多くみかけましたが、2009年は小規模企業であっても対策をとるケースが確実に増えてきたと感じています。この背景には、不当表示問題への対応強化(=不当表示の規制強化)も理由にありそうです。

3)はどちらかといえば、健康に関する業界団体に所属している中堅企業に多い考え方です。これまでの薬事法による表現規制にも、まったく効果のない商品を排除するという面では評価できる、と健全な業界への成長を考える方が増えたと思います。これは、健康市場自体が急成長する時代ではなく、着実な成長~成熟に向かいつつあることを意味しているでしょう。

企業の規模と意識変化にはこのような関係があると感じていますが、今後の展望としては企業規模に関係なく一定の成長を期待しているようです。これは今後の経済状況、少子高齢化のトレンドなどから、数年後には現在主流の医療から代替医療(統合医療)へシフトする流れが強まるのではないか、と考えている方が多くなってきたからではないかと思っています。

今後の販促方針と「こだわり型」商品の分類

次に、今後大切になる販促方針をまとめます。上記にあげた1)~3)は、どちらかといえばバックヤードの準備に近い考え方です。有効性や安全性への取り組みを重視するのは大切なのですが、商品の見せ方自体への工夫がなければ、競合の多い成長市場にあっては埋もれてしまいます。

せっかく開発した「本物の商品」、せっかく準備した「安全性・有効性根拠」ですから、ここはたくさんの方に届けておきたいところですね。そこで、前回(11月)のコラムで「今後は理念を伝えやすいテーマ型の商品(企業のこだわりによって開発された、もしくは集められた商品)がおすすめ」とお伝えした内容を、もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。

こだわり型の商品にはテーマがあり、販促でもストーリーを作りやすく、さらには共感を呼びやすいメリットがありますので、一度自社商品の切り口の参考に読んでみてください。

【こだわり型商品の切り口分類】

A)素材:

ひとつの素材や製品にこだわり続けることを訴求するタイプです。
例えば「牛丼一筋」など、どこかで聞いたことがあるようなフレーズが使える商品です。 職人的な品質のよさが伝わりやすく、ブランドの安心感も与えやすいメリットがあります。

B)市場:

特定のニーズに絞った商品のみを提供するタイプです。
例えば「アレルギーの子供をもつ親」に対し、有効な商品を揃えて提供するといったものです。 購入者は同様の悩みを持つ人が多いため、コミュニティが成長しやすいメリットがあります。

C)時間:

スピードや鮮度などの時間的な特徴を訴求するタイプです。
例えば採れたて直送、即日クール便配送など競合に比べて利便性を提供するものです。 特に食品などでは、鮮度がいい=安心できるといった印象を与えるメリットがあります。

D)場所:

北海道や沖縄などの場所的な特徴を訴求するタイプです。
例えば北海道にゆかりのある商品だけを取り揃える、といったものです。 その土地ならではの文化や使用経験を伝えることも、安心感を与えやすいメリットになります。

この4タイプを図(よく使われる、ポジショニングマップです)にして、視覚的に見ることもできます。十字の線を引いて、左右両端に「素材」と「市場」を、上下両端に「時間」と「場所」をそれぞれ記入します。これで、4つのセグメント(分類)ができます。次にポジショニングを確認したい商品やお店のコンセプトを思い出しながら、円を配置します。すべてのセグメントにまたがる大きい円になることもありますし、どこか1箇所のセグメントに片寄ることもあります。

また、競合の商品についても同様に円を書いて考えてみましょう。そして、今のお客様がどの商品をほしがっているのかも、円を書いて考えてみましょう。ひとくちに「こだわり商品」といっても、何にこだわるのかが、より分かりやすくなると思います。ぜひ、みなさんのこだわり商品の販促を考える際にも、安全性や有効性を伝える際にも、ひとつのヒントとして試してみてください。

さて、来年はどんな年になるのでしょうか。みなさんの商品が飛躍する年になりますよう、本稿を執筆しながらお祈りいたします。それでは、よいお年を。

著者プロフィール
川合裕之 氏

川合裕之(かわいひろゆき)氏

株式会社ラベルバンク 代表取締役

即席ラーメン会社のサラリーマン、ラーメン屋のアルバイト、メロンパンの移動販売 開業と閉鎖を経て、食品の空き容器を収集しながら「食品表示・広告表現の課題解決 企業株式会社ラベルバンク」を設立(2003年)。
インターネットショッピングサイト上に食品品質表示が掲載されていない点にチャン スを感じ、「食品の品質表示は見せた方が得と考えている食品メーカーに、複雑な食 品表示のアドバイスや、品質情報の効果的な見せ方を提供する」コンサルティングを 展開するが、科学的根拠よりも大切なポイントがあることに気付く。
健康食品の品質表示・薬事法規制をテーマに官公庁・展示会等全国で講演多数、食品 専門誌(月刊食品包装等)で執筆。

編集人:北口 編集責任者:武坂

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