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健康商品の有効性と安全性を伝えるときのポイント

第6回:有効性と安全性表示の今後


消費者庁の新設

 2009年9月1日、消費者庁が新設されました。(当初10月から年内目標~とお伝えしていましたが、選挙の影響で早まったのでしょう。)その後9月16日、16年ぶりの政権交代による新内閣の発足と同時に、新しい消費者庁の担当大臣も決定しました。関係者にとっては夏ごろから、今後の方向性がどうなるのか分からないという様子でしたが、今後徐々に見えてくるものと思われます。

消費者庁のホームページも新設されていますので、組織図から担当範囲を確認してみましょう。

・内閣府本府に、「消費者委員会」と呼ばれる第3者機関が別に置かれている。

・消費者庁の人員は202名。

・総務課のほかに大きく2つの部署がある。

・1つは政策調整課、企画課、消費者情報課。

・1つは消費者安全課、取引・物価対策課、表示対策課、食品表示課。

・所管の法律は31法。


これらの要件から、特に健康商品の「安全性・有効性」表現に関して影響のあると思われる項目を列挙してみます。

「安全性・有効性」に関する表示・表現への影響

これまでと変更になる点は、下記のとおりです。

・特定保健用食品の安全性および効果の調査審議は、消費者委員会の管轄になる。

・特別用途食品の表示許可は、消費者庁の管轄になる。

・製造者固有記号の届出先は、消費者庁の管轄になる。


特に食品に関する変更点が多い原因は、「食品表示課」の新設にあり、「JAS法、食品衛生法、健康増進法を一元管理」することになったためと思われます。

 ちなみに「薬事法」は消費者庁の所管ではないようですが、「○○の病気が治る」といった誇大な表現は健康増進法でも禁止されていますので、規制情報の収集先としては消費者庁が追加される形になるでしょう。例えば食品で使用してはならない医薬品成分が含まれていた商品に対する取締り(薬事法)は、従来どおり厚生労働省の管轄となるでしょう。

 いずれにしても、消費者庁は農林水産省や厚生労働省、各自治体担当部署、警察との連携を図る立場にあるので、表示上で問題が起きた後の場合ではあまり関係のない話です。あくまでも、表示や表現での問題を未然に防ぐための情報収集先や問い合わせ先として、各担当を知っておくことが必要になると思われます。

消費者の立場としてみた消費者庁

 「製品事故情報」の一元化を図る点で、これまで国民生活センター等でしか知ることのできなかった情報を知ることができるようになったようです。さらに製品事故のほか様々なトラブルに関する消費者相談窓口が設置されているため、消費者にとっては分かりやすく使い勝手のよい組織変更になると思われます。

 ただ消費者教育の視点でみた場合、列挙されている施策数そのものが少なく、内容も従来の発想からは抜け出せていないという指摘もよく耳にします。製品事故情報や、相談窓口が頼りになるのはいいのですが、自立を促す施策までには至っていないということですね。

 このままでは、いくら安全性や有効性に優れた商品が世に出ても、これを見抜く目と判断力が養成されず、経済全体としてはマイナスになりかねないという考え方ですが、私もそう思います。

 いずれにしても消費者問題というのは、国家と事業者と消費者の3者の間にある問題であり、3者が向き合って考えることのできる場を提供する役割を期待したいと思います。例えばTBT協定(貿易の技術的な障害に関する協定)のような、表示問題の本質に近い事実については、もっと多くの消費者が知っていてもよいと思います。

安全性をベースに有効性を追求

 話を事業者に戻すと、今後健康商品を扱う事業者はどのような対処をとればいいのでしょうか。

 一言で言えば、「安全性と有効性を切り離さずに考えることが大切」だと思います。

 もともと健康商品は、その商品の存在使命、つまり消費者側からすれば、安全性と有効性を切り離して考えることは難しい商品であると思います。つまり有効性を無視して安全性を語ることができない商品であるともいえます。

 今後は業界団体などで安全性を中心とした自主基準を設けて、健全な業界への自浄作用が働くよう運用し、これを広く啓蒙することも大切だと言えるでしょう。一つのヒントとして、健康食品の第3者による安全性認証制度への動きもありますので、注視しておくと良いと思います。

 これまで有効性に対する薬事法による表現規制に悩まされた事業者も多いと思いますが、この規制により他方で健康被害のある医薬品成分を含む商品の広がりを防止するなど、安全性確保の面で一定の効果があったのではないかと評価する人も多くいることも事実です。

 「安全性と有効性は切り離せない商品」である以上、まずは「安全性から」という運用も、それほど逆風に感じることはなく、反対にチャンスでもあると考えてみることも大切ではないでしょうか。

著者プロフィール
川合裕之 氏

川合裕之(かわいひろゆき)氏

株式会社ラベルバンク 代表取締役

即席ラーメン会社のサラリーマン、ラーメン屋のアルバイト、メロンパンの移動販売 開業と閉鎖を経て、食品の空き容器を収集しながら「食品表示・広告表現の課題解決 企業株式会社ラベルバンク」を設立(2003年)。
インターネットショッピングサイト上に食品品質表示が掲載されていない点にチャン スを感じ、「食品の品質表示は見せた方が得と考えている食品メーカーに、複雑な食 品表示のアドバイスや、品質情報の効果的な見せ方を提供する」コンサルティングを 展開するが、科学的根拠よりも大切なポイントがあることに気付く。
健康食品の品質表示・薬事法規制をテーマに官公庁・展示会等全国で講演多数、食品 専門誌(月刊食品包装等)で執筆。

編集人:北口 編集責任者:武坂

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