概要
自動車、家電製品、電子部品、太陽電池、燃料電池等、私たちを取り巻く多くの製品は「表面技術」なくして何一つ製品として成り立ちません。
本セミナーでは、このような「表面技術」の応用技術に関心があり、また利用してみたいといった大阪地域の企業を対象に、大阪府立産業技術総合研究所、(地独)大阪市立工業研究所により、基礎的事項から応用事例までを解説します。
(対象分野:表面処理、表面改質、めっき、溶射、ドライプロセス、レーザ改質加工、レーザ熱処理など)
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内容
1.13:30〜14:10 ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティング技術
大阪府立産業技術総合研究所
機械金属部 金属表面処理系 三浦健一
DLC膜はその優れた特性から、広範な分野で実用化研究が進められており、これまでのドライコーティング膜にはない広がりを見せている。しかし、「DLC」は、様々な炭素系アモルファス膜の総称となっていることから、成膜法や含有元素によって千差万別であることを理解しておく必要がある。本講演では、DLC膜の種類、分類、成膜法、応用分野などについて概説するとともに、産技研での研究内容の一部を紹介する。
2.14:10〜14:50 溶射技術による金属表面改質
大阪府立産業技術総合研究所
機械金属部 金属表面処理系 足立振一郎
溶射とは、加熱により溶融した材料を吹き付けて、皮膜を形成する技術であり、耐摩耗性および耐腐食性の改善に大きな効果を上げている。近年は、めっきの代替技術としても注目が高まっており、需要は拡大し続けている。しかし、ステンレス溶射皮膜は耐摩耗性が低いため、耐腐食の用途での使用にとどまっている。そこで現在、ステンレス溶射皮膜に低温プラズマ窒化処理を施すことで、耐摩耗性を向上させようとしている。溶射についての基礎的な解説と、これまでの研究成果について述べる。
3.14:50〜15:30 レーザを用いた金属表面処理技術の基礎と応用
大阪府立産業技術総合研究所
機械金属部 加工成形系 萩野秀樹
レーザは、金属材料の耐摩耗性、耐食性の向上を目的に、焼入れや肉盛りといった表面処理に適用することができる。レーザを用いたこれらの表面処理法は、従来法に比べて変形が小さい、基材へのダメージが小さいといった利点を有している。また、メンテナンスが容易でコストパフォーマンスに優れたレーザが近年開発されてきており、レーザ表面処理に取り組む状況が整ってきている。ここではレーザ表面処理の基本的なメカニズムと応用事例について紹介する。
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4.15:40〜16:20 摩擦攪拌プロセスによる金属材料の表面改質
地方独立行政法人大阪市立工業研究所
加工技術研究部 先進構造材料研究室 長岡 亨
摩擦攪拌プロセスは、回転する円筒形ツールを金属材料に圧入し、攪拌する改質方法で、表面部の金属組織を著しく微細化し、飛躍的な高強度化を図ることができる。これまでの研究では、本プロセスの攪拌効果を利用することにより、軽金属材料や鉄鋼材料中に微細な硬質粒子を均一分散させる高強度化法を確立している。また、金属材料表面に形成した溶射超硬合金皮膜に本プロセスを適用することで、溶射超硬合金皮膜層の緻密化、組織微細化による高強度化にも成功している。講演では、これらの事例について紹介する。
5.16:20〜17:00 Yb-ファイバーレーザによるセラミックスの局所構造及び電気的性質の改質
地方独立行政法人大阪市立工業研究所
電子材料研究部 セラミックス研究室 木戸博康
高精度で高信頼性のYbファイバーレーザ関連技術は、次世代改質加工技術として注目されている。ファイバーレーザを用いたセラミックスの改質加工では、直径数十ミクロン程度の領域で高速に溶融と固化が進行し、セラミックスの局所構造や電気特性の改質が可能であること、また燃焼合成など材料合成の分野へも応用できることを紹介する。
ご注意
【お客様の情報について】
お申込みいただくお客様の情報は、地方独立行政法人大阪市立工業研究所・大阪府立産業技術総合研究所と共有させていただき、市工研・産技研関連の催事情報をダイレクトメールでお知らせいたしますので、ご了承の上お申込み下さい。
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