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大阪市営地下鉄は昨年度、御堂筋線全410車両とニュートラム全80車両の計490車両に消臭・抗菌対策を済ませた。平成25年度中までに市営地下鉄全1360車両で完了させる予定だという。そこに使われているのが、ニチリンケミカルが開発した空気触媒「セルフィール」。実車両で1年半評価をした上で採用が決まったという。開発は10年前にさかのぼる。それまで床のコーティング剤を製造・販売していた同社が「シックハウス症候群の解消につながる商品を」と土壌中から抽出した天然成分のみで有機物質を分解する触媒を完成させた。「含まれるミネラル分、とくにカリウム40が働いて触媒反応を促す」と森田氏。最大の特徴は、「セルフィール」の成分が揮発性有機化合物(VOC)、臭いのもと、微生物などの有害物質に直接働きかけるのではなく、空気中の水と酸素を利用して有害物質を酸化分解消滅させるラジカルを生成することで、「空気のあるところならどこでも効果を発揮する」。当時、同様の役割を果たす触媒として「光触媒」に注目が集まっていたが、これに対抗して「空気触媒」として売り込みを図った。天井、壁、座席シートなどに施工することで消臭・抗菌などの効果が発揮され快適な車内環境に。こんなところで使ってます②天然成分100%の「空気触媒」で場所、時間を問わずVOC低減、抗菌、消臭、抗ウイルス森田氏は「光がある場所では空気触媒よりも光触媒のほうが分解効果は強い」と認めた上で、空気触媒の強みを2点挙げる。「一つは、光が届きにくい室内や夜間の時間帯は光触媒はその実力を発揮しにくいのに対し、空気触媒は場所や時間を選ばないこと。もう一つは、光触媒の強い分解力は、基材をも分解し傷めてしまうおそれがあるのに対し、空気触媒は基材を傷めることはないこと」。全国に施工代理店網を広げ、VOC対策として学校など公共施設への施工事例を増やしていったが、とりわけ世間の耳目を集めたのは、大手紳士服チェーンが同社の「空気触媒」を使って抗菌防臭スーツとして大々的に売り出し、ヒット商品になったことだ。現在は、バス、鉄道車両のほか下着、布団などの繊維製品にも用途が拡大。「光の入るところでは光触媒、それ以外のところでは空気触媒というすみ分けがようやくできてきた」と手ごたえを感じている。もっとも見えないものだけに今なお営業には苦労しているという。これを克服すべく、「効果を伝えやすくするため」に、触媒の働きによって色素が分解される触媒活性測定方法の特許を今年2月に取得。「今後は目の前で触媒としての作用を見てもらう」手法でさらに営業を強化していく。ニチリンケミカル株式会社代表取締役森田邦治氏http://www.nichirin-chemical.co.jp/TEL06-6341-0801設立/2001年従業員数/12名事業内容/2001年の創業で、天然成分にこだわった製品の製造・販売を手がけ、当初は床のコーティング剤からスタートした。現在は、空気触媒の「セルフィール」と天然成分100%でつくった洗浄剤「エコベース」が事業の2本柱。他にも化粧品関連商品の取扱いを行う。大阪市営地下鉄の消臭・抗菌対策として採用光触媒とすみ分けし、市場拡大狙うエアーコンプレッサーで圧力をかけて壁や天井などに直接噴霧する。バス、電車、空港のほか、学校、マンション、コンビニエンスストア、飲食店、病院。繊維製品(写真右下)にも。こんなところで使ってます①7/5木「衛生技術展」出展?詳しくは裏表紙の商談会情報でb-platzpressvol.13707