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塗るだけで人体に悪影響を及ぼす化学物質の放散を抑えるまり、コーティング剤を共同開発したいと打診を受けた。絵画をはじめとする展示品や収蔵品は空気の中に含まれるアンモニアや有機酸などのガスによってひび割れや変色などの劣化が進む。中でも合板類から長年にわたって発生する有機酸の発生をいかに抑えるかが課題となっていた。そこに生かされたのが、スイショウ油化工業がこれまで培ってきたワックスのコーティング技術だった。アクリル樹脂を主成分とする被膜の下にナノ単位の物質で構成するバリア層を作ることによって、木材の呼吸は妨げずに、さまざまなガスの放散を抑える技術を確立し「NナノANOVヴイコート」として商品化した。室内空気の環境測定技術が進歩し、従来検出されなかった物質が見つけられ問題視されるようになっているが、「NANOVコート」は、被膜そのものがさまざまなガスの放散を抑制できることが最大の強み。塗布後に乾燥して得られる塗膜は、有機酸やVOCの放散を抑制するほか、密着性、強靭性、耐水性や耐薬品性に優れた特性を持つ。「木材に直接塗布してもいいし、すでに何か塗装されているものに塗布しても効果を発揮する」。すでに全国各地の美術館、博物館で使われているほか、シックハウス対策としてマンションでの施工実績も増加。「いつかはルーブル美術館で使ってもらうこと」が目標だ。設立/1951年従業員数/34名事業内容/工業用油脂の商社として創業。業務用フロアーワックス・洗剤・剥離剤、さまざまな種類の粉体をブレンドする粉体受託加工、化学原材料販売の三部門を展開する。高石市に工場、研究所を持つ。スイショウ油化工業株式会社代表取締役水沼紳二氏http://www.suisho.co.jpスイショウ油化工業は床に特化したTEL06-6634-5290ワックス剤メーカーで、商品は多くの学校や商業施設などで使われている。転機は20年ほど前に訪れた。屋内の建材や家具などに使われている接着剤、塗装、ワックス剤などから出てくる揮発性有機化合物(VOC)が人体に悪い影響を及ぼしていることを知り、VOC含有を抑えた商品を開発しようと決意したのだ。「シックハウス症候群などの症状で苦しむ子どもたちを見て、商品を通じて社会に役に立ちたいと考えるようになった」と当時の思いを振り返る。国は対策を打ち出しているが、国土交通省、文部科学省、厚生労働省でそれぞれ規制対象物質の数は異なる。同社では、この中で最も厳しい厚労省の基準に示された14物質のVOC濃度がすべて指針値以下になるよう製品開発に取り組み、「EエコCO-SスペックPECシリーズ」として商品化。業界ではどこも手がけていなかった第三者機関による評価試験結果も開示した。もちろん「環境性能を満たしながら、ワックス本来の役割である基本性能も向上させる」ことにこだわった。そうした開発姿勢が、美術館や博物館の内装工事を手がける会社の目に留最も厳しい厚生労働省の指針をクリア美術品、文化財を有害物質から守る美術館の床面や展示用ケース下地合板などにコーティングすることで絵画など展示品の劣化の原因とされる有機酸などのガスを抑制できる。こんなところで使ってます②住宅や学校の天井、床のほか家具、机、ベッドなどの木製品など。木材の呼吸は妨げずに、さまざまなガスの放散を抑制する。こんなところで使ってます①04b-platzpressvol.137